
今回は、Cubaseだけで作れる定番の「ラジオボイス」の作り方を解説します。
ラジオボイスの正体は、特別なプラグインではなく、 「周波数をあえて制限すること」と「少しだけ荒らす処理」です。
この記事では、次の2点に分けて解説します。
- 周波数の処理(EQ)
- エフェクト設定
歌ってみた、ボカロ、ナレーション、歌声すべてに応用できますよ。
周波数の処理(EQが8割)
ポイントは帯域をわざと狭くすることです。
ローカット(低音を削る)

まずは低音をカットします。
80〜120Hz以下をカット
- 男声:100Hz前後
- 女声:120Hz前後
低音を削ることで、スピーカー再生のような軽い音になります。
ハイカット(高音を削る)

次に高音をカットします。
6kHz〜8kHz以上をカット
思い切って切ってOK
ここが一番ラジオ感が出るポイントです。
高域がなくなることで、一気にAMラジオの雰囲気になります。
中域を強調する

ラジオでは中域が目立ちます。
1kHz〜3kHzをブースト(+2〜+5dB)
- Qはやや狭め
声の存在感が前に出て、聞き取りやすくなります。
こもりが気になる場合
400〜600Hz付近を軽くカット
モコモコする場合のみ、微調整してください。
Cubase付属プリセットを使う方法(最短ルート)
VocalChain のラジオ系プリセット

インサートエフェクトから VocalChain を開くと、以下のプリセットがあります。
- Broke Radio Vocal→ 比較的きれいめ。ニュース・ナレーション向き
- Radio Vocal→ 歪み強め。古いAMラジオ・演出用
これらは、
- 帯域制限(EQ)
- コンプレッション
- 歪み/サチュレーション
これらがあらかじめ組み合わされており、挿すだけでラジオ風ボイスになります。
とにかく早くラジオ感を出したい場合は、このプリセットを使うのが一番簡単です。
プリセットを出発点にして、EQのハイカット/ローカットだけ微調整するのもありです。
補足:VocalChainの対応エディションについて
VocalChainは Cubase Pro / Cubase Artist に付属しています。
Cubase Elements には付属していません。
そのため、「Broke Radio Vocal」「Radio Vocal」などのプリセットを使いたい場合は、Artist以上が必要です。
エフェクト設定
サチュレーション/歪み(味付け)

AMラジオ特有のザラつきを足します。
- Magneto II
- Distortion(ごく薄く)
設定のコツは、 Driveをほんの少し上げて、音がザラっとする程度です。
リバーブは基本なし
ラジオ音声はドライが基本です。
- 使う場合はRoomタイプ
- Mixは5%以下
ほとんど聞こえないくらいで十分です。
定番のエフェクトチェーン例
この順番でほぼ完成します。
さらにラジオ感を強めたい場合・・・
- ステレオをモノラルにする
- ショートディレイ(Slapback)を薄く足す
ナレーション用途なら特に効果的です。
まとめ
- EQで低音と高音を大胆にカット
- 中域を強調して存在感を出す
- リバーブは控えめ
この3点を押さえれば、Cubase標準プラグインだけで十分ラジオボイスを作れます。
用途別(ニュース風・古いAMラジオ・電話音声など)の設定が必要なら、さらに細かく解説できます。

