DTMでパソコンが重いときの対策まとめ|動作を軽くするつの方法

DTMをしていると、急にPCが固まったり音が途切れたり、作業が進まなくなることがありますよね。

  • エラーなのか原因不明なのか分からない
  • ソフト音源を立ち上げただけで重くなる
  • 録音中に止まって作業が進まない

こういったトラブルは、多くのDTMユーザーが必ずぶつかる悩みです。

しかし安心してください。

DTMの動作が重くなる原因の多くは基本的な設定や対処法を知っていれば改善できます。

この記事では、DTMが重い・固まる・音が遅れるといったトラブルを解消する7つの対処法を「初心者でもすぐに実践できる形でわかりやすく紹介」します。

読み終わる頃には・・・

  • CPU負荷や音の遅延(レイテンシ)の原因が理解できる
  • 今すぐできる解決策が分かる
  • DTM作業がスムーズになってストレスが減る

こうした実感を得られるはずです。




対処法① バッファサイズを上げる

 DTMが重くなる原因の多くは、オーディオ処理の負荷です

その解決にまず試すべきが、バッファサイズの変更です。

バッファサイズはDAWのオーディオ設定から変更できます。

例:Cubaseの場合「スタジオ」→「スタジオ設定」→「オーディオシステム」

設定できる数値は通常「32 〜 2048」の範囲。

数値を大きくするとPCの負荷は軽くなります。

ただしデメリットとしてレイテンシ(音の遅れ)が発生します。

そのため・・・

  • 録音するとき…バッファ小(64〜256)
  • ミックスや編集時…バッファ大(512以上)

と作業内容に合わせて使い分けるのがコツです。

対処法② フリーズ機能を活用する

 ソフト音源を大量に使うと、すぐにCPU負荷が限界

そんなときに便利なのがフリーズ機能です。

フリーズ機能とは、MIDIトラックを一時的にオーディオ化し、CPU負荷を軽くする機能です。

 メリット

  • 音質はそのまま
  • ボタン一つでオン/オフ可能
  • プロも普通に使っている定番テクニック

「もう打ち込み終わったトラック」や「しばらく触らない音源」は積極的にフリーズしましょう。

対処法③ 重いエフェクトを減らす

負荷の原因は音源だけではありません。特に重いのはリバーブとマルチエフェクター。

・リバーブはSend(センド)でまとめる
→ 各トラックに個別でリバーブを挿すのはNG。負荷が一気に増えます。

・NectarなどのマルチFXは要注意
→ 必要に応じて「オーディオ書き出ししてプラグイン削除」も検討

※Nectarはボーカルミックス用のAIプラグイン

対処法④ 他のアプリを閉じる

 DTMが重くなる原因の多くは「不要なアプリの起動しっぱなし」です

バックグラウンドで動いているアプリがCPUやメモリを消費し、DAWの処理が追いつかなくなることがあります。

特に注意したいのはアプリの「完全終了」です。

・Macの場合
ウィンドウの「×ボタン」では終了したことにならず、バックグラウンドで動き続けていることがあります。
→ Command + Q でしっかり終了しましょう。

・Windowsの場合
アプリを確実に終了させたいとき
→ Alt + F4 でウィンドウを閉じるのが有効です。

さらに動作が重いときは「Ctrl + Shift + Esc 」でタスクマネージャーを開き、不要なアプリを「タスクの終了」で完全に閉じることもできます。

また、制作中にブラウザで検索するとPCの負荷が上がるため、調べ物はスマホで行うのもおすすめです。

対処法⑤ PCスペックを見直す

 そもそもマシン性能が足りていない可能性もあります

DTMでは最低でもこのくらい欲しいところです:

項目:目安
メモリ:16GB以上
ストレージ:SSD推奨
CPU:Core i5以上

動作環境はあくまで最低ラインなので、「余裕のあるスペック」を意識しましょう。

対処法⑥ 困ったら再起動

 それでも重いときは、いったん再起動しましょう

結局これが一番効くこと、意外と多いです。

作業前には必ずこまめに保存するクセをつけておくと安心です。

パソコンは長時間使っていると、知らないうちにいろんなソフトの一時データが溜まったり、メモリが圧迫されたりして、どんどん動作が遅くなります。

そこで再起動をすると、溜まった不要データがリセットされ、バックグラウンドで動いていたムダな処理も整理されるため、動作が一気に軽くなります。

特にDTMソフトはメモリを大量に使うので、「重い」「固まる」「音がブツブツ途切れる」といった症状は、再起動だけで治るケースがかなり多いです。

対処法⑦ 歌声合成ソフト(ボカロ)用のファイルを作る

 オーディオファイルで書き出して別ファイルで作業

筆者は普段からボカロ曲を制作していますが、動作を軽くして作業をスムーズに進めるために、プロジェクトファイルを工程ごとに分けて使うようにしています。

使い分けているのは次の2つです。

① 曲制作用ファイル
→作曲・編曲・打ち込みまでを行う

② ボーカル編集用ファイル
→ボカロや歌声合成ソフトを使って歌を入れる

まず①のファイルで曲を完成させたら、すべてのトラックをオーディオ書き出しします。

その後、②のファイルに書き出したオーディオを読み込み、そこから歌声合成ソフトを立ち上げて作業を進めます。

この方法が効果的な理由はシンプルです。

  • プラグインやソフト音源を大量に立ち上げたまま作業しなくて済む
  • オーディオファイルは非常に軽いため、動作が安定する
  • 「重くて固まる」「再生がカクつく」といったトラブルを防げる

さらに、このやり方にはクリエイティブ面でもメリットがあります。

「打ち込みの段階では思いつかなかった発想が生まれることがある」

例えば・・・

  • ギタートラックをオーディオ化してリミックス的に加工
  • 逆再生、タイムストレッチ、グリッチ加工など新しいアレンジのアイデアが浮かぶ

といった変化が起きやすくなります。

▼打ち込み用のファイル

▼歌声合成ソフト(ボカロ)を打ち込む専用のファイル

オケ音源をオーディオファイルで書き出しているのでPC負荷が軽くなり歌声合成ソフト(ボカロ)が快適に動きます。

補足 ソフトの不具合やアップデートも確認

DTMが重くなったり不具合が出る場合、ソフト自体の問題の可能性もあります。

まずは、使用しているソフトが最新バージョンにアップデートされているか確認しましょう。

とくにWindowsの場合はアップデートによってソフトとの相性が悪くなることもあります。

その場合は逆に動作が不安定になることもあるので注意が必要です。

もしアップデートや設定を見直しても改善しない場合は、ソフト側の不具合の可能性が高いため、メーカーやサポートに問い合わせることをおすすめします。

まとめ

 DTMが重いときの7つの対処法

DTM作業中にパソコンが重くなったり、ソフトが固まったりするとストレスになります。

しかし、今回紹介した7つの対処法を順番に試せば、多くの場合は問題を解消できます。

1:バッファサイズを上げる
→CPU負荷を下げて、動作を安定させることができます。録音時はレイテンシとのバランスを意識して調整しましょう。

2:フリーズ機能を使う
→重いソフト音源やプラグインの負荷を軽減できます。作業中に触らないトラックはフリーズしておくと効果的です。

3:重いエフェクトを減らす
→リバーブやマルチエフェクターは特に負荷が高いので、Sendでまとめたり、オーディオ化して負荷を分散させましょう。

4:他のアプリを閉じる
→バックグラウンドで動くアプリもメモリやCPUを消費します。使わないアプリは完全に終了させましょう。MacはCommand + Q、WindowsはAlt + F4が便利です。

5:PCスペックを見直す
→DTMやソフト音源の動作環境を確認し、最低条件より余裕のあるスペックを用意すると安定します。

6:困ったら再起動
→溜まった一時データやメモリの断片をリセットすることで、動作が軽くなることが多いです。作業前にはこまめに保存を習慣化しましょう。

7:歌声合成ソフト(ボカロ)用のファイルを作る
→曲制作用のファイルで作曲・編曲を完成させてオーディオ書き出しし、次にボーカル編集用のファイルに読み込んで歌声合成ソフトを使う。

DTM環境は、ちょっとした工夫で格段に快適になります。

まずは今回紹介した方法を順番に試し、作業の安定化と制作の自由度アップを目指してみてください。

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