
DTMで作曲・編曲をしていると、ジャンルごとのミキシングセオリーやトレンド、音質を良くするためのテクニックが、ネット上にたくさん紹介されています。
ただし実際には、
- 「自分の曲にはどれが合っているのか?」
- 「今やっている方法は正しいのか?」
判断するのは、初心者の方にとってかなり難しいですよね。
DTM界隈ではよく「トライ&エラー」という言葉が使われます。
思いついたことを試して、ダメならやり直す。
この繰り返しの中で、少しずつスキルが身についていきます。
そこで今回は、DTM初心者の方に向けて、ミックス&マスタリング作業で“ついやってしまいがちな6つの間違い”を紹介します。
あらかじめ知っておくだけでも、無駄な遠回りを減らせます。
①エフェクトに頼りすぎる
実はこれ、初心者が一番やりがちな間違いです。
ミックスの基本は、「音を良くする」のではなく「音を整える」ことです。
- 元の音が悪いまま、EQやコンプで無理やり修正しようとする
- プラグインを足せば足すほど良くなると思っている
元の音がイマイチなら、エフェクトでごまかすのではなく、音作りからやり直すのが近道です。
例えば、
シンセの音が気に入らないなら、
- エフェクトを足す前に
- シンセの音色そのものを作り直す
これが正解です。
元の音が良ければ、必ずしもすべてのトラックにEQやコンプをかける必要はありません。
②低音が飽和している
- 不要な低音をカットしていない
- いろんな楽器の低音が重なっている
これだけで、音がモコモコして、抜けの悪いミックスになります。
「こもっているな…」と感じたとき、高音をブーストする前に、まずは低音をカットしてみましょう。
また、
- リバーブ
- ディレイ
などの空間系エフェクトの低音も要注意です。
ここをカットしないと、全体がモワッと濁る原因になります。
③音圧を上げすぎている
昔は「ラウドネス戦争」と呼ばれる時代があり、とにかく音を大きくした曲が“勝ち”のように扱われていました。
人は、音が大きいほど「良い音」と錯覚しやすいからです。
その結果、
- リミッターをかけすぎ
- ダイナミクスを犠牲に
- 波形が真っ黒
このような音源が量産されていました。
でもこれは、
- 平坦で抑揚のない音
- クリップノイズの原因-
- バランスも崩れがち
と、実際には“良い音”とは言えません。
さらに現在は、YouTubeやSpotifyなどでラウドネスノーマライゼーションが働きます。
どんなに音量を上げても、自動的に同じくらいの音量に下げられてしまいます。
- ある程度の音圧は必要
- でも上げすぎは逆効果
今のトレンドは、ダイナミクスを残した聴きやすい音です。
④すべての楽器を左右に広げすぎ
実はこれも、ミックスがぼやける原因になります。
基本の考え方は、低音はセンター、高音ほど左右へという「逆三角形」です。
- キック → センター
- サブベース → センター
- ミッドベース → 少し広げる
- シンセの高域、金物 → ワイド
このように配置すると、音がぶつかりにくく、スッキリします。
周波数の「上下」だけでなく、パンニングの「左右」も使ってマスキングを避けることで、立体的なミックスになります。
⑤耳だけで作業
ですが、人の耳には弱点があります。
同じ音を長時間聴いていると、だんだん慣れてしまい、正確に判断できなくなるのです。
- 最初はうるさく感じた音が平気になる
- 低音や高音の多さに気づけなくなる
これは、クラブやライブハウスでしばらくすると音に慣れるのと同じ現象です。
ミックス作業でも同じことが起こります。
そこでおすすめなのが、スペクトラムアナライザーなどの分析ツールです。
- 耳で聴く
- 目で確認する
この2つを組み合わせることで、偏りの少ないミックスができます。
⑥複数のモニター環境を使わない
なぜなら、再生環境が変われば、聴こえ方も大きく変わるからです。
- スピーカー
- ヘッドホン
- 安価なイヤホン
- スマホスピーカー
できるだけ複数の環境でチェックしましょう。
もちろん、すべての環境で完璧に聴こえるミックスは不可能です。
だからこそ、「自分の曲は誰がどんな環境で聴くのか」こららをイメージすることが大切です。
最近では、AirPodsやスマホスピーカーでチェックするエンジニアも増えています。
時代のニーズとリスニング環境を意識して、「この音で聴いてほしい」というゴールを決めてからミキシングすることが重要です。
以上、ミックス&マスタリングでやりがちな6つの間違いでした。
どれも初心者のうちは、知らず知らずのうちにやってしまいがちなポイントです。
- 間違いを知る
- 意識して避ける
それだけでも、ミックスの完成度は大きく変わります。
まとめ
ミックス&マスタリングは、難しいテクニックを増やすよりも、ありがちな間違いを避けることが音質アップへの近道です。
- エフェクトに頼らず、まずは元の音作りを見直す
- 不要な低音をカットして、泥ミックスを防ぐ
- 音圧を上げすぎず、ダイナミクスを残す
- 低音はセンター、高音ほど左右へ配置する
- 耳だけに頼らず、分析ツールも併用す
- 複数の再生環境でチェックして仕上がりを確認する
このポイントを意識するだけで、ミックスの完成度は確実に上がります。
ぜひ一つずつ実践して、あなたの曲を“伝わるサウンド”に仕上げていきましょう。

