
ミキシングを始めたばかりの方が必ずぶつかる悩みが、「どのEQをどう使えばいいのか分からない…」という問題です。
EQ(イコライザー)は、不要な帯域を取り除いたり、欲しい部分だけを強調したりして音の印象を大きく変えることができる非常に重要なエフェクトです。
ただ、種類が多く、それぞれ使い方も異なるため、初心者の方にはどうしても難しく感じやすい部分でもあります。
そこでこの記事では・・・
- EQにはどんな種類があるのか
- それぞれがどんな場面で役立つのか
- 初心者がまず覚えておくべきポイントは何か
これらをできるだけ分かりやすく解説していきます。
この記事を読むことで・・・
- ミックスのどこをどう直せばいいのか
- どのEQを選べばいいのか
- 音が濁る/こもる/刺さるといった悩みの改善方法
「EQってなんだか難しそう…」という方でも安心して読み進められる内容になっているので、ぜひチェックしてみてください。
EQ(イコライザー)とは?
EQ(イコライザー)は、音の中にある特定の周波数をブーストしたりカットしたりして、音質を調整するためのエフェクトです。
楽器同士のバランスを整える際によく使われ、ミキシングには欠かせない存在です。
楽器ごとのEQポイントと失敗しないミックスのやり方と帯域の考え方は別記事にまとめてます。
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パラメトリックEQとは?

ほとんどのDAWに標準搭載されており細かな調整ができる自由度の高さが大きな特徴です。
パラメトリックEQの特徴
- 周波数帯域を動かせる「バンド」が複数あり(4〜10バンド程度)、柔軟に調整できる
- Q幅(狭める/広げる)を自由に変えられる
- ブースト/カットをピンポイントで操作できる
- 目的に合わせてEQカーブを選べる
よく使われるEQカーブは以下の6種類です
- ピーク
- ハイシェルフ
- ローシェルフ
- ハイパスフィルター
- ローパスフィルター
- バンドパスフィルター
これらを使い分けることで、不要な帯域のカットから、欲しい帯域の補強まで幅広く対応できます。
フィルターの減衰角度とQ幅
- 減衰角度:どれくらい急角度でカットするか
- Q幅:どれくらい狭い範囲を調整するか
この2つを理解すると、より自然で狙い通りのEQ処理ができるようになります。
リニアフェイズEQとは?

通常のEQは、周波数を動かすと小さな「位相ズレ」が起きることがあります。
これは音がごくわずかに遅れたり進んだりする現象で、過度にEQをかけると音の濁りにつながります。
リニアフェイズEQは、この位相ズレを起こさない仕組みになっており、原音のクリアさを保ったまま調整できるのが特徴です。
使うときの注意点
- CPU負荷が重い
- 極端な設定で音像がぼやけやすい
- アタック感が弱くなる場合がある
そのため、「各トラックに多用するよりバス処理やマスター処理で使う」といった使い方が一般的です。
ダイナミックEQとは?

通常のEQは「常に同じ設定」で音を調整しますが、ダイナミックEQは入力された音量に応じてブースト/カット量が変化します。
原理はマルチバンドコンプレッサーに近く、「飛び出してくる帯域だけを抑える」といったピンポイント処理が得意です。
主なパラメーター
- スレッショルド
- レシオ
- アタック
- リリース
操作感はコンプレッサーに近いため、初心者でも理解しやすいEQです。
グラフィックEQとは?

グラフィックEQは、帯域があらかじめ細かく分けられており、スライダーを上下させるだけで音を調整できるEQです。
- iTunesなど一般向けプレイヤーに搭載
- 視覚的で直感的な操作が可能
- ライブ現場のPAでよく使われる
細かい調整には不向きですが、全体のバランスを素早く整えたいときに便利です。
6バンドEQとは?

パラメトリックEQには4〜10バンドなどさまざまなタイプがありますが、初心者〜中級者に特に扱いやすいのが「6バンドEQ」です。
- 4バンドだと調整しきれない
- 10バンド以上だと逆に迷いやすい
こういった悩みのちょうど中間を埋めてくれるのが6バンドタイプです。
6バンドEQが便利なポイント
- 不要な帯域をカットしながら、必要な帯域を同時にブーストできる
- ボーカルのように帯域が密集した素材でも細かく調整しやすい
- 低域/中域/高域をそれぞれ2バンドで丁寧にコントロールできる
- 1つのEQで完結しやすく作業効率が良い
特にボーカル処理では、「低域の不要成分をカットしつつ、存在感を出す帯域を少し持ち上げる」といった複合的な作業が必要になるため、6バンドEQはかなり実用的です。
EQを本格的に使い始める方にとって、「自由度が高すぎず、物足りなさも感じにくい」ちょうど良いバランスのEQとして非常におすすめです。
無料配布中の高級6バンドEQプラグイン

Antelope Audioは、世界中のプロエンジニアが愛用する高音質オーディオ機器メーカーです。
もともと実機での使用が多いですが、近年はプラグイン開発にも力を入れています。
その代表的なプラグインが、6バンドEQの「MG4+」です。
通常は約2万円の有料プラグインですが、現在無料で配布されています。
特に次のようなニーズにおすすめです
- プロのような“艶”や“抜け感”を出したい
- ボーカルやアコースティック楽器の高音をきれいに仕上げたい
- 位相ズレのない正確なミックスを行いたい
- 録音時に低レイテンシーで快適にモニターしたい
- Synergy Core環境で効率よく制作したい
詳しいレビューは別記事で紹介していますので、興味がある方はチェックしてみてください。
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まとめ
EQにはそれぞれ役割と得意分野があり、状況に合わせて使い分けることで仕上がりが驚くほど変わります。
- パラメトリックEQ:最も万能で、細かい調整に最適
- リニアフェイズEQ:位相ズレを防ぎたいときに便利
- ダイナミックEQ:飛び出す帯域だけを自然にコントロール
- グラフィックEQ:ライブや素早い補正に向いている
- 6バンドEQ:自由度と扱いやすさのバランスが良く初心者にも最適
どれも用途が異なるため、音源の状態や目的に合わせて選ぶことが大切です。
EQの使い分けを覚えるだけで、あなたのミックスは確実にレベルアップします。


