
DTMでミックスしていると、こんな悩みにぶつかりませんか?
- 低音が弱い
- キックが軽い
- ベースが聴こえない
- 低域をブーストしたら逆にこもった
こういった問題が起きると、多くの人はまず
- 低音パートを増やす
- EQで低域をブーストする
- サブベースを足す
- マキシマイザーで音圧を上げる
といった対処をしがちです。
しかし実は、低音が出ない原因の多くは「ミックス処理」ではなく「編曲の設計」にあります。
結論を先に言うと、鳴っている低域の主役は1つで十分です。
低音はあとから足すものではなく、最初に設計しておくものなのです。
低音が出ない人ほどEQで迷子になる
しかし低域は、ブーストすればするほど濁りやすい帯域です。
その結果、
- 太くしたいのにこもる
- 迫力が欲しいのに輪郭が消える
という状態になってしまいます。
問題の本質は、低音が足りないことではありません。
「主役になる低域パートを決めていないこと」
つまり、土台が曖昧なまま音を足してしまっていることが原因です。
低音はミックスではなく“役割”で決まる

それは、低音担当が明確であることです。
例えば、
- キックが主役なのか
- ベースが主役なのか
- 場面によって交互に主役になるのか
ここが曖昧だと、必ず低域はぼやけます。
最初に考えるべきなのはEQではなく、
「この曲の低音の中心は何か?」
という設計です。
低音が太い曲ほどシンプル
なぜなら、低域は使えるスペースが非常に狭いからです。
低音が弱い曲によくあるのが、
- ベースが動きすぎている
- キックと常に被っている
- 低域で鳴っている楽器が多い
という状態。
低域は足し算ではなく引き算です。
主役は1パートに絞る。
それだけで、低音は一気に整理されます。
上モノの低域を整理すると低音は太くなる
ピアノやギター、パッド、ストリングスなどが低域まで入り込むと、低音のスペースはすぐに埋まります。
例えば、
- ピアノの低域をカットする
- ストリングスの下を整理する
- パッドのローを削る
こうすることで、低音の主役が立ち上がります。
低音は「足す」よりも「空ける」ほうが太く聴こえます。
伴奏を入れるときこそ、思い切ってローカットするのが効果的です。
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低音が一気に太くなる3つのルール

① 低音楽器を増やさない
- サブベースを追加する
- 低音シンセを重ねる
- パッドまで低くする
これらは一見パワーアップに見えますが、実際は濁りの原因になります。
低域は1パートで十分です。
② キックとベースの住み分けを作る
低音が強い曲では、キックとベースが譲り合っています。
- キックが鳴る瞬間はベースを控えめに
- ベースが伸びる部分ではキックをシンプルに
この整理だけで、低音は驚くほどクリアになります。
③ ベースラインを安定させる
低音が弱いベースの特徴は、
- 動きすぎている
- 跳ねすぎている
- 低域が安定していない
ということ。
低音は派手さよりも安定感が重要です。
サビで太くしたいなら、ルートを長く伸ばすだけでも効果があります。
サイドチェーン

役割を整理しても、低域がぶつかることはあります。
そんなときに有効なのがサイドチェーンです。
仕組みはシンプルで、
キックが鳴った瞬間だけベースを少し下げる
これだけです。
すると、
- キックが前に出る
- ベースは消えない
- 低音がスッキリする
という理想的な状態になります。
まさに低域の交通整理です。
Cubaseでのサイドチェーン設定例
Threshold:GRが-2~-3dBになる位置
Ratio:2:1~4:1
Attack:最速
Release:80~150ms
Gain Reduction:-2~-3dB程度
ポイントは「やりすぎないこと」。
ほんの少し譲らせるだけで十分です。
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まとめ
低音が出ないときに見直すべきなのは、EQではなく設計です。
- 低音担当を1パートに絞る
- キックとベースの役割を決める
- 低域の音数を減らす
- ベースラインを安定させる
- 上モノの低域を整理する
低域をシンプルにする。
これが鉄則です。
低音は足すことで太くなるのではありません。
主役を1つに絞ることで、自然と前に出てきます。
ミックスで迷子になる前に、まずはアレンジの土台から見直してみてください。

