
作曲を勉強していると、こんな壁にぶつかることはありませんか?
- 曲を分析したいけど、どう聴けばいいかわからない
- コードやメロディの作り方を感覚だけでやっていて限界を感じる
- 理論を学んでも「実際に曲にどう活かせばいいか」がわからない
耳コピというと「耳(絶対音感を持っている)のいい人だけができるもの」だと思われがちですが、実はツールを使えば初心者、楽器が弾けない方でも十分取り組めます。
そしてなにより、耳コピこそ 作曲力を最速で伸ばすための基礎トレーニング です。
この記事では・・・
- 耳コピがなぜ作曲に効果的なのか
- 初心者でも実践できる具体的な手順(5ステップ解説)
- 絶対音感がなくても耳コピはできる方法
- 便利ツールと活用方法
- 正確さより「8割を目指すべき理由」
- メロディ耳コピからコード付けまでの考え方
読み終わるころには、「耳コピ=難しい」「センスが必要」という思い込みがなくなり、今までとはまったく違う視点で曲を聴けるようになります。
耳コピは才能ではなく、作曲者全員がやるべき基礎練習です。
楽器が弾けなくての大丈夫なのでぜひ参考にしてください。
耳コピが必要な理由
・リファレンストラックを作る力が身につく
→ どんな音作り・アレンジをすべきか判断できるようになる。
・名曲の構造(メロ・コード・リズム)を盗める
→ コピーこそ最高の教材。基礎中の基礎練習。
・絶対音感・楽器スキルがなくても取り組める
→ 使えるツールが揃っているので初心者でも始めやすい。
耳コピは、作曲における“基礎トレーニング”です
- ボーカル→発声練習
- ピアノ→バイエル
- ギターや弦楽器→コード練習・運指練習
これらのように作曲にも基礎練習があり、それが「耳コピ」です。
楽器が弾けても作曲ができない人が多いのは、“作曲そのもののスキル”が不足しているからです。
もちろん、楽器が弾ける能力は作曲の役には立ちます。
ですが「演奏スキル=作曲スキル」ではありません。
演奏できても作曲できないのはまさにここが原因です。
耳コピの手順(5ステップ)
- 1.音源を分離する
- 2.DAWに取り込み、BPMを合わせる
- 3.キーをCメジャー/Aマイナーに変換する
- 4.スケールアシスタントを設定する
- 5.ツールを使ってメロディやコードを拾う
1. トラックごとに分離(ボーカル抽出)
・Moises(無料で使えます)
→BPM・キーを自動解析してくれるのが便利
・Cubase 15(新機能のAI分離が高性能)
筆者は、BPMとキーも解析するMoisesを使用しています。
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2. DAWに取り込み、BPMを合わせる
・分離したドラムトラックの波形を見ると合わせやすい
(山が高いキック・スネア部分が目安)
・最後に耳で確認して微調整するのがポイント
3. キーをCメジャー/Aマイナーに変換する
理由はメロディやコードの判定をしやすくするためです。
- Cubaseは上部メニューでキーを変更可能
- 原曲キーはMoisesに表示されるので確認
- コードトラックもCメジャー/Aマイナーに設定
→ 作曲の基礎となる“白鍵だけ”のキーで、スケール判定・耳コピ・視覚的把握がしやすいから。
4. スケールアシスタントをCメジャー/Aマイナーに設定する理由
Cubaseの「スケールアシスタント」を Cメジャー/Aマイナー に設定するとメロディが正しいスケールに収まっているかのチェックがぐっと簡単になります。
CメジャーとAマイナーは、どちらもドレミファソラシド(C–D–E–F–G–A–B)だけで構成されるスケールです。
例外はありますが、ポップスの多くはこの範囲の音だけでメロディが成立しているため、耳コピの基準として最も扱いやすいスケールといえます。
5. ツールを使って音を拾う(メロ・コード)
使用するツール
・Cubase(Artist / Pro)|VariAudio
かなり細かく音程を拾える。まずはここで確認。
・DECODA|メロディ+コード表示ツール
音を自動で可視化してくれる。VariAudioで不明な部分に便利。
・Synthesizer V Studio2
ボーカルを読み込むとピアノロールにメロディが反映されます。
各ピアノロールを参考にMIDIを打ち込みます。
ツールの使い分け
- まずはVariAudioで確認
- わからなければ DECODA
- それでも不明なら Synthesizer V
部分ごとに“得意なツール”が違うので、組み合わせるのがコツです。
メロディの耳コピを始める前の準備
耳コピは、いきなりメロディを拾い始めるのはNG。
構成を理解しておくと、どこを耳コピしているのか迷わなくなり、作業効率が大幅に上がります。
一般的な構成の例
この構成をあらかじめメモしておきましょう。
構成を整理する方法(どちらでもOK)
・メモ帳に書き出す
→簡単な箇条書きでOK。作業の道しるべになります。
・DAWのマーカー機能に書き込む
→タイムライン上に「Aメロ/Bメロ/サビ」などを設定しておくと、必要な箇所にすぐジャンプでき、耳コピのスピードが上がります。
この構成分析こそが“リファレンス”になります
特に近年はトレンドの移り変わりが早く、構成そのものの作り方にも影響が出ています。
さらに、ショート動画文化(TikTok / Reels / Shorts)の登場により・・・
- 冒頭からサビを置く
- 最初の数秒で強いインパクトを出す構成にする
といったアレンジが増えています。
つまり、耳コピの前に構成を分析することで、今どきの楽曲の“リファレンス(参考基準)”を集められるということです。
これは作曲力を伸ばすうえで非常に重要です。
構成のストックは、お笑い芸人にとっての“ネタ帳”のようなもの。
パターン(ネタ)が多いほど引き出しが増え、作曲のバリエーションも豊かになります。
逆にいえば、作曲アイデアが湧かない人は、そもそも持っているリファレンス(構成のストック)が少ない ということでもあります。
作曲で行き詰まったときやスキル不足を感じたとき、音楽理論を勉強するのももちろん有効です。
ですが同じくらい、ひたすら耳コピしてリファレンスを増やすことも強力なトレーニングになります。
精度は“8割”でOK
あくまで「作曲能力を伸ばすための練習」です。
耳コピは、最初から100%正確である必要はまったくありません。
- VariAudioの灰色ガイドに だいたい乗っていればOK
- 8割合っていれば十分
- 「目で確認 → 耳で確認」を繰り返すだけで上達する
筆者も、1音ズレていると直したくなるタイプで、よく作業が沼りがちです。
そんなときは、あえて 「まぁ、これでいいか」くらいの軽い気持ちで次に進みます。
それでも気になるときは、「目的は耳コピそのものではなく、作曲スキルを伸ばすこと」と自分に言い聞かせて作業を進めるようにしています。
コードをつける
DAWのコードパッドを使って基本的なコード進行を当てはめるだけで十分です。
たとえば・・・
- 王道コード(Ⅳ→Ⅴ→Ⅲm→Ⅵm)
- 小室進行(Ⅵ-Ⅳ-Ⅴ-Ⅰ)
- 丸サ進行(IVM7 -III7-VIm7-Vm7-I7)
- カノン進行(Ⅰ-Ⅴ- Ⅵm -Ⅲm -Ⅳ-Ⅰ-Ⅳ – Ⅴ)
などが代表的です。
コード当てはめには絶対の正解・不正解はありません。
これはセンスを磨く作業であり自分の感性を育てる工程です。
同じメロディでも、コード次第でまったく違う雰囲気に仕上がるため、いろいろ試して自分の好きなアプローチを探してみてください。
もちろん、基本を無視して自分の直感だけでコードを選ぶのも大いにアリです。
試行錯誤を繰り返すことで、あなたの“鉄板コード進行”のヒントが自然と見えてきます。
まとめ
耳コピは難しそうに見えて音楽理論よりも「実践的」に作曲スキルを伸ばしてくれる最強の学習方法です。
ポイント
- 耳コピは才能ではなく訓練で伸びる
- 正確さ(100%)より、再現性(80%)を目指す
- ツールを使えば初心者でもすぐ実践できる
- 耳コピは“作曲の土台”になる力を全部鍛えてくれる
- 分析より「自分の手で再現する」ことが重要
つまり、耳コピは「聴く ➜ 理解する ➜ 作る」
このサイクルを最速で回せる、唯一のトレーニングです。
もし今、曲作りや理論に伸び悩んでいるなら、まずは1曲でいいので、好きな曲のメロディだけでも耳コピしてみてください。
それができた瞬間から、あなたは「ただ聴いている人」ではなく「作り手側の耳」を持つ人になります。
耳コピは今日から始められる最強の作曲練習です。
理論書より先に、まず曲を自分の手で分解してみましょう。

