
初音ミクV6のEarly Access(以下EA)版が公開され、SNSでも・・・
- めちゃくちゃ自然になってる
- AIっぽいけどミクらしさ残ってる?
と話題になっています。
とはいえ、多くの人が気になっているのは・・・
- 実際、どれくらい良くなったの?
- V4やNTから何が変わったの?
- AI化で本当に歌わせやすくなった?
この記事では、実際に触ってみた体験をベースに、良かった点だけでなく、改善点や弱点も含めて正直にレビューします。
「どのミクを使おうか迷っている」「AI時代の初音ミクが気になっている」
そんな方の参考になれば幸いです。
初音ミクV6 / Early Accessとは?
初音ミクV6 / Early Accessは、正式版リリース前に最新の初音ミクAIボイスを試せる先行版です。
主な特徴は以下のとおり。
- 使用期限:インストールから39日間
- 現時点では「日本語ボイスバンクのみ」提供
- 機能制限なし(製品版と同等の使い方が可能)※1
つまり、完成版ではなく「最新AIミクの試用版」という位置づけです。
※1 初音ミクV6 / Early Access自体に機能制限はありません。
対象ユーザー

対象条件
- 対象製品を所有していること
- シリアルコードを登録済みであること
対象製品
- VOCALOID2 初音ミク
- 初音ミク V3
- 初音ミク V4X
- 初音ミク V4 ENGLISH
- 初音ミク V4 CHINESE
- ピアプロキャラクターズ・スーパーパック
※ボイスライブラリー単体ユーザーは対象外
既存ユーザーへの「先行ご優待」という位置づけですね。
▼公式サイト▼
『VOCALOID6 Editor Lite』取得ページ
『初音ミク V6』Early Access版を公開しました。
Early Access版の大きな違い
初音ミクV6 / Early Accessで、いちばん大きく変わった点は、歌わせるためのエディターが「VOCALOID Editor」に統一されたことです。
これまでのVシリーズやNTシリーズではPiapro Studioを使っていましたが、Early Access版からは画面の見た目や操作方法が大きく変わりました。
そのため、これまでミクを使ってきた人ほど「最初は少し戸惑うかも?」と感じやすいポイントでもあります。
●VOCALOID Editor

●Piapro Studio

VOCALOID Editorの特徴
→ 2004年の初代VOCALOIDから続く、非常に歴史の長いエディター
・DAWとの連携が可能
・単体アプリとして起動可能(DAWなしでも編集できる)
・Vシリーズのボイスバンクも読み込み可能
→ ただし、VシリーズはAIによる自動調整には非対応
つまり、EA版の初音ミクV6を使うための専用環境が「VOCALOID6 Editor」という形になります。
そもそも「エディター」ってなに?

- メロディを入力する
- ピッチ(音程)を調整する
- ビブラートを付ける
- 声の表情を変える
こうした作業を行うのが、VOCALOID EditorやPiapro Studioです。
「ゲーム機」に例えると・・・
- エディター → ゲーム機本体
- 歌声ボイス(例:初音ミク)→ ゲームソフト
という関係に近いイメージです。
ゲームソフトだけ買っても遊べないように、歌声ボイス単体だけでは歌わせることはできず、エディターが必ず必要になります。
Editor Liteと使い方
筆者の環境
- VOCALOID6 Editor Lite
→ 初音ミクV4Xを所持しているユーザーが使える無料版を使用
VOCALOID6 Editor Liteの制限
- ボーカロイドトラック1つ+オーディオトラック1つ(最大2トラック)
- ボイスバンクは付属しない(EA版のみ使用可能)
- DAWと連携できない(単体起動のみ)
- データのインポート不可
DAWでVOCALOID6 Editor Liteを使うことはできません

使い方

音階と歌詞入力は従来と同じ入力方法です。
歌詞入力方法
右クリックメニューの主な機能は以下のとおり。
- リセット:歌詞を削除
- 流し込み:歌詞を一括挿入(範囲指定でまとめて入力可能)
- 抽出:歌詞をコピーしてメモ帳などに貼り付ける際に便利
音階と歌詞を挿入すると、AIによる自動調整が行われます。
●音階のみ

●歌詞挿入後

基本調整

1.ピッチ調整(消しゴムマーク)
→ 数値変更、鉛筆ツールでの手動調整が可能

2.ビブラート
3.エクスプレッション
4.タイミング
Style(ボーカルエフェクト適用)
サンプル音源
・初音ミクV6 Early Access

・初音ミク V4X

初音ミクEarly Access × VOCALOID6 Editor Liteの感想
感動した点・メリット
- AIが自動調整してくれるため、簡単にリアルな歌声が作れる
- VOCALOID Editorを単体で使える
Piapro StudioはDAW起動が必須だったため、ここは大きな違い。
特にAI化で重要になる「ピッチの滑らかさ」「表情の自然さ」は、VOCALOID Editorのほうが扱いやすいと感じました。
デメリット・戸惑った点
- Piapro Studioに慣れている人ほど最初の違和感が大きい
- UIやパラメータ名が一部異なる
- プラグインとしての使いやすさは好みが分かれる
- NT独自機能に慣れている人には“別物”に見える
特にPiapro Studioが身体に染みついているDTMerにとっては、
「いつもの操作ができない」
「どこに何があるかわからない」
という戸惑いは、正直避けられないと思います。
Early Access版は試すべき?
理由はシンプルで、エディターがほぼ別物だからです。
慣れれば問題ないとは思いますが、操作は一から覚え直す必要があります。
個人的に大きいと感じたのは、見た目(デザイン)の違いです。
歌声や操作性ももちろん重要ですが、エディターの雰囲気は制作中のモチベーションに直結します。
その点では、Piapro Studioのほうが「ミク感」があって好き、という人も多いはずです。
今後の導入を考えている方は、早めに触って慣れておくことをおすすめします。
●VOCALOID Editor

●Piapro Studio

AIの自動調整について(筆者の考え)
初音ミクのAI化は、時代の流れを考えると避けられないものだと思っています。
Synthesizer V、Ozone、Suno、そしてChatGPTなど、音楽制作全体がAIに支えられる時代になりました。
ただ正直に言うと、初音ミクのAIによる自動調整には、少し違和感も覚えました。
その理由を考えてみると、「初音ミクそのもの」だけでなく、ボカロPやイラストレーターなど、クリエイターが表現した“初音ミク”が好きなんだと気づいたからです。
DECO*27の初音ミク、wowakaさんの初音ミク、MARETUの初音ミク。
特に大きなオチがある話ではありませんが、AIとクリエイターがこれからどう共存していくのか、今後が楽しみです。
まとめ
初音ミクV6 Early Accessは、「歌声の自然さ」と引き換えに、制作環境そのものが大きく変わったアップデートだと感じました。
ポイントを整理すると以下のとおりです。
- AIによる自動調整で、ピッチや表情は明らかに自然になった
- VOCALOID Editor採用により、操作感はPiapro Studioと別物
- Editor Liteだけでの制作は制限が多く、実用性はやや低め
- Piapro Studioに慣れている人ほど、最初は戸惑いやすい
- 「ミクらしさ」をどう捉えるかで評価が分かれやすい
完成度の高い歌声を手軽に作れる一方で、これまでの制作スタイルや「ミク感」を大切にしてきた人には、少し距離を感じる部分もあるはずです。
だからこそ、今後の導入を検討しているなら、まずはEarly Access版で一度触ってみるのがおすすめです。
AI時代の初音ミクと、どう向き合っていくのか。その判断材料として、EA版は十分な価値があると感じました。



