
「ミックスボイス」という言葉は、実はかなり曖昧です。
多くの人が「地声と裏声の中間」という説明をしますが、この考え方がむしろややこしさの原因になっています。
地声・裏声の2つを意識しすぎると、喉がガチガチに固まり、何をどうすればいいのかわからなくなってしまうんですね。
そこでおすすめしたいのが、地声・裏声という概念を一度捨てて、生体(声帯)を“引っ張った声”で考えること。
これが本当にシンプルで、しかも再現性があります。
高音になると声が裏返ったり、地声と裏声の境目でつまずいたり・・・
そんな悩み、ありませんか?
多くの方が「ミックスボイスを身につけたい」と思う一方で、その言葉の曖昧さゆえに、かえって迷子になってしまうケースが非常に多いです。
本記事では、よくある“地声と裏声を混ぜる”という複雑な発想を一度手放し、「声帯を後ろに引っ張って高音を作る」というシンプルで再現性の高い考え方に置き換えて解説します。
- ミックスボイスって結局なに?
- 地声・裏声の切り替えでいつも詰まる
- 裏返りや喉の痛みをなくしたい
- 高音をラクに出せるようになりたい
こういった悩みを持つ人に、特に役立つ内容です。
この記事を読むことで、これまで難しく感じていたミックスボイスが「ただ引っ張るだけ」という驚くほどシンプルな仕組みで理解できるようになります。
さらに、高音で喉がつらくならず、声質のブレもなく、表現力も大きく広がっていくはずです。
「混ぜる」ではなく「引っ張る」。
ミックスボイスの本質をつかむための、もっとも分かりやすい入口として、ぜひ読み進めてみてください。
声帯は“後ろに引っ張られるほど”高くなる
後ろ方向へ伸びるほど、弦(ギターの弦と同じ原理)が張り、高い音が出ます。
- 引っ張る→張りが強い→音が高い、大きい
- 緩む→張りが弱い→音が低くなる
これがすべてです。
練習では、ゴム紐を後ろに引っ張るイメージを使うととても分かりやすくなります。
練習のコツ①:出だしは“電源オフ”の声で
「あぁ」と出すとき、どうしても「これから高音を出すぞ!」と体が構えてしまいます。
すると喉が固まり、良くないフォームになります。
大事なのは、普段、家でボソッと独り言を言うときの“電源オフの声”で始めること。
出だしはしょぼくてOK。
そこから引っ張る力によって音が高く・大きくなっていきます。
練習のコツ②:ひたすら後ろに引っ張る
- 声の質は気にしない
- 裏返ってもOK
- 裏声になってもOK
- とにかく引っ張ることだけに全集中
声が裏返る・裏声になる人は・・・
「引っ張る力が一瞬で抜けて、声帯が“縮んでしまう”状態」になっています。
ギターの弦も、短くピッと切れば高い音が出ますよね?
声帯も同じで、縮めても高い音は出せますが、これは良くない使い方です。
- 喉が潰れる
- 硬くなる
- 息が詰まる
- 柔軟性がなくなる
なので「縮めて高音を作る」はNG。
必ず伸ばして高音を作る感覚を保ちます。
境目が消えるとミックスボイスになる
引っ張り続ける練習をしていくと・・・
地声と裏声の境目(チェンジ)が消えていきます。
地声も裏声も「息の量の違い」でしかなくなり、声の“作り方”は常に同じ「引っ張り」になります。
結果として・・・
- 高音でも喉が苦しくない
- 声質が急に変わらない
- 表現の幅が広がる
などのメリットが出てきます。
実は「混ぜる」ものではない
「ミックス=混ぜる」というイメージを持っている人は多いですが混ぜる必要は一切ありません。
- 地声に裏声を混ぜる
- 裏声に地声を混ぜる
- 息を混ぜる
…などを考えるから難しくなるのです。
本質はただひとつ。引っ張りボイスであること。
言葉に惑わされないようにしてください。
チェンジは“変える”のではなく“通過させる”
- 実際は変えません
- ノーチェンジで通過する
声楽では「パッサージ」(=通過)という言葉を使います。
引っ張り続ければ、チェンジは“気づかれず通過できる”ようになります。
難しく考えなくていい理由
喉の中には・・・
- 輪状甲状筋
- 披裂筋
- 甲状軟骨
…など、専門的な構造がたくさんあります。
しかし、これらを具体的に動かすことはできません。
考えすぎると逆に喉が固まります。
大事なのはこれだけ。
- 声帯が後ろに引っ張られればOK
- 細かい筋肉の操作は考えなくていい
- イメージで十分
理論と感覚のバランスをとりながら練習してみてください。
まとめ
ミックスボイスは「地声と裏声を混ぜる」という複雑な発想よりも、「声帯を後ろに引っ張って高音をラクに出す」というシンプルな考え方のほうが、初心者でも再現しやすく身につきやすい発声です。
ポイントは次の3つです。
- ミックス=“混ぜる”ではなく、“引っ張る”という発想に切り替える
- 引っ張ることで声帯が薄く伸び、喉に負担なく高音を出せる
- 地声・裏声の境目もスムーズになり、安定した歌声につながる
難しいテクニックに悩むよりも、まずは 「後ろに引っ張る感覚」 をつかむことが最優先。
この感覚さえ分かれば、高音のコントロール・喉の軽さ・声質の安定が一気に改善します。
ミックスボイスは特別な才能ではなく、仕組みを理解すれば誰でも身につけられるスキルです。
今日から少しずつ、自分のペースで練習してみてください。

