
2025年8月1日に公開された、なきそさんの楽曲「いますぐ輪廻」。
タイトルにある「輪廻」とは、終わりのない転生サイクルを意味します。
MVを手掛けたのは、「メズマライザー」などで知られる channelさん。
新曲『いますぐ輪廻』を投稿しました。
メタモルフォーゼ
音楽:なきそ (@7kiso_nakiso )
MV:channel (@x_cast_x )□YouTubehttps://t.co/BkUF77Suvz
□niconicohttps://t.co/uYGqSXUh4Q
□Streaming / Download (0:00 配信予定)https://t.co/tRtWRIr3tW pic.twitter.com/hJMX4lCTuA
— なきそ (@7kiso_nakiso) August 1, 2025
明るく可愛い魔法少女ミクと、モノクロの世界が入り混じった映像は、可愛らしさの裏に不穏さを漂わせています。
でも、この作品の魅力は“可愛いだけ”ではありません。
その裏には、何度も繰り返されるループと、切ない愛の物語が隠されているんです。
この記事では、歌詞や映像をもとに「いますぐ輪廻」に込められた深い意味をじっくり解説していきます。
ループする8月が意味するもの
物語の舞台は、まるで恋愛シミュレーションゲーム。
画面には「SAVE」「LOAD」「SKIP」といったUIが表示され、日付はずっと“2007年8月”のままです。
まるでプレイヤーが何度もエンディングをやり直しているような構成。
この“終わらない8月”こそ、物語のキーポイントになっています。
8月31日=ミクが生まれた日
ついに!!本日迎えました!!2017.8.31は初音ミク10周年記念日!!
カウントダウン ラストイラストはKEIさんです!!⭐🎂⭐🎂⭐
初音ミク10周年サイトはコチラ ⇒ https://t.co/pRIjYF5u6M#初音ミク #miku10th #カウントダウンミク pic.twitter.com/WYOvLLiFE8— 初音ミク 公式 (@cfm_miku) August 30, 2017
ループの終着点である「2007年8月31日」は、初音ミクの発売日。
この日が物語の山場に設定されているのは、決して偶然ではありません。
「君とこの日に結ばれること」が、まさにゲームでいうクリア条件。
達成できなければ、世界は何度もリセットされ、二人は終わりなき夏をさまようことになります。
まだ生まれていないミクが、その日を目指してもがく姿には、胸が締め付けられるような切なさがありますね。
無限ループを示すカウンターの意味
いますぐ輪廻1000万記念にイラスト頂きました②
こちらは設定画♪かわいい pic.twitter.com/8wHeYZgznf
— なきそ (@7kiso_nakiso) August 28, 2025
暗転時に現れる「0」「1」「2」…という数字。
最後には「207944155」という、異常なまでに大きな数に達します。
これは、2億回以上ループしていることを意味しているとも考えられます。
そしてMVや概要欄に登場する「Retry Now」という言葉は、
プレイヤーではなくミク自身が世界を“リセット”していることを暗示しています。
つまり、この物語のループは彼女の意思によって続いているのです。
モノクロの中に輝く“異物”ミク
いますぐ輪廻 FA pic.twitter.com/kg1a8TjdDe
— シキ式 (@shikix2) October 9, 2025
モノクロの世界で唯一、鮮やかな色を持つのが魔法少女ミク。
この対比は、彼女が輪廻という世界のシステムに干渉できる、特別な存在であることを示しています。
まるでこの世界の“管理者”や、“バグ”のような立ち位置とも言えますね。
魔法ではなく“力”でやり直す少女
いますぐ輪廻 (音あり)
Retry Now FA pic.twitter.com/FUXu1WBqdc— Atena (@atena_fumei) August 8, 2025
魔法少女と名乗りながら、彼女のステッキは魔法を放つためではなく、世界を強制的にリセットするための道具として使われています。
「マジカル★スマッシュ」「デスティニー★ストライク」など、一見可愛らしい技名も、よく見るとどこか物騒で不穏な響き。
ここに“救済ではなく破壊”というテーマが見え隠れします。
愛が運命をねじ曲げる瞬間
いますぐ輪廻 のFA pic.twitter.com/G9AB9ariSB
— 𝗺𝗼𝗿𝗼𝗻𝗲𝗸𝗼 (@nekonaiyo) August 5, 2025
ミクの目的はたったひとつ、「君」と結ばれること。
でも、その想いはあまりにも純粋すぎて、やがて運命をも歪める力へと変わります。
「運命さえもひざまずかせよう」というフレーズは、彼女の愛が“世界の理”を超えてしまった証拠。
その姿は、狂気すら感じるほどの純粋さと執着に満ちています。
ツインレイ──魂の片割れへの執着
いますぐ輪廻(FA) pic.twitter.com/vDEaYgD9WV
— 眞田咋 (@Living_deadroom) August 1, 2025
ラストで叫ばれる「ツインレイ」という言葉。
それは、前世で一つだった魂が二つに分かれた“片割れ”を意味します。
ミクは「君」を自分の半身と信じ、「一つになること」を望んでいます。
恋愛を超えた、魂そのものの結合。
彼女の異常なまでの執着は、このスピリチュアルな想いに根ざしているのかもしれません。
四字熟語が示す“終わらない苦しみ”
MVのラスサビには、「長夜輪轉」「愛結緊縛」「無有出期」という四字熟語が登場します。
これは、「愛という執着によって出口のない苦しみの輪廻に囚われる」ことを意味する仏教の言葉。
つまり、彼女の“愛”は救いではなく、永遠の呪いでもあるのです。
愛が救済と破滅を同時に運ぶ、非常に象徴的な演出ですね。
色づく世界と新たなループ
ループの果てに辿り着くのは、ひまわりが咲き誇る明るい世界。
花言葉は「あなただけを見つめる」「一途な愛」。
いかにもハッピーエンドに見えますが、よく見ると――
-
ミクの手には新しい道具がある
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日付が再び「8月1日」に戻っている
つまり、これは新しいループの始まり。
見た目は変わっても、根底の執着はまだ終わっていないのです。
まとめ
MVの最初に映る「0」と「1」の数字。
それは、再生ボタンを押した瞬間に私たち自身がループを始めることを示しているのかもしれません。
この“終わらない輪廻”を続けているのは、実は視聴者──つまり私たち。
なきそさんの楽曲とchannelさんの映像が融合した「いますぐ輪廻」は、“愛とは何か”“運命は変えられるのか”という問いを、
ポップでキュートな映像の裏側から静かに突きつけてきます。


