
今回は、ボカロ界の中でもひときわ異彩を放つ存在、MARETU(マレツ)さんについて解説していきます。
彼の音楽は、中毒性のあるメロディと不穏で深いテーマ性が特徴。
再生数だけでなく“聴いた人の心を掴んで離さない”独特の世界観で多くのファンを魅了しています。
現在もマイペースに活動を続けており、新曲が投稿されるたびにYouTubeやニコニコ動画では話題騒然。
「待ってました!」というコメントでコメント欄が埋まるほどの人気ぶりです。
それでは、そんなMARETUさんの活動の軌跡を、デビューから現在まで順を追って紹介していきます。
2011年デビュー:「私バイト」で登場
MARETUさんが初めてボカロ界に姿を現したのは2011年3月6日。
デビュー作は「私バイト」という楽曲でした。
曲名からも分かる通り、初期はコミカルで皮肉の効いた“ネタ曲系”の作風。
しかしその中にも独特のリズム感とメロディセンスがあり、
リスナーの間で「クセになる」と話題になりました。
代表曲「P名言ってみろ」で一躍有名に
同年4月8日に投稿された「P名言ってみろ」は、
総勢550人ものボカロPを紹介するという斬新な発想で爆発的にヒット。
投稿からわずか4日で殿堂入りという快挙を達成し、
この作品をきっかけにMARETUさんの名は一気に広まりました。
この時期の彼は、テンポの良いリズムと風刺的な歌詞で注目を集め、
“ネタ曲P”という枠を超えて、確かな音楽的センスを持つボカロPとして評価され始めます。
転機となった「コインロッカーベイビー」
2013年2月2日、代表作のひとつ「コインロッカーベイビー」を投稿。
それまでのコミカル路線から一転、
闇・孤独・社会への皮肉をテーマにした本格的な楽曲を発表します。
疾走感のあるリズムと哀愁を帯びたメロディ、
そして不穏ながらも強烈に印象に残る歌詞は大きな話題を呼び、
投稿3日でデイリー3万再生、1週間で殿堂入りという驚異の記録を打ち立てました。
この曲をきっかけに、MARETUさんは“本格派ボカロP”として一躍有名になります。
ヒット連発「脳内革命ガール」「パケットヒーロー」
その後もMARETUさんは「脳内革命ガール」「少女消しゴム」「パケットヒーロー」など
中毒性の高い名曲を次々と発表。
特に「脳内革命ガール」は彼の代表曲の一つで、
強烈なサビと狂気的な世界観がリスナーの心を掴みました。
この時期、MARETUさんは病みかわいい系の元祖”とも呼ばれ、
多くのボカロPに影響を与えます。
アルバム『コインロッカーベイビー』リリース
2016年3月、これまでの代表作をまとめたアルバム
『コインロッカーベイビー』をリリース。
既存曲に加え、新曲も多数収録されたこの作品はファン待望の1枚となり、
高い評価を受けました。
同年投稿の「白(コンパス提供曲)」は投稿から1年以内にミリオン再生を達成し、
自己最速記録を更新します。
コラボ・全盛期:2017年前後
2017年には、カゲロウプロジェクトで知られるカゲロウベアさんとコラボ。
「いない依存症(アレンジ版)」が週刊ボカロランキングで1位を記録します。
さらに「ホワイトハッピー」「うみなおし」「ダーリン」など、
立て続けにヒット曲を投稿。
中でも「ダーリン」は投稿後すぐに週刊1位を獲得し、
MARETU黄金期の象徴とも言える1曲となりました。
炎上・低迷・そして再起
2017年末には一時的な炎上騒動が発生し、活動が停滞。
しかし、翌2018年1月に投稿した「トウテツ」で見事に復活します。
その後も「コウカツ」「トゥール」「ゴキブリの味」など、
ユーモアと毒気を絶妙にブレンドした楽曲を発表。
どれも強烈な個性で再び注目を集めました。
近年の活動と現在
2021年には「ナミダ」「ぴんぐ」「ニューダーリン」を投稿し、
“らしさ”全開の楽曲で健在ぶりをアピール。
活動ペースはゆっくりながら、新曲が出るたびに必ず話題になる存在感を今も保っています。
まとめ
彼が描くのは、人間の裏側・心の闇・狂気と愛の狭間。
聴く人をゾッとさせながらも惹きつける独特の作風は、
今も多くのクリエイターに影響を与え続けています。
活動歴10年以上、数々の名曲を生み出したMARETUさん。
これからも彼の“狂気に満ちた音楽世界”から目が離せません。


