目撃!テト31世を考察|ハロウィンの真意とMV炎上騒動を解説

ハロウィンの季節に突如話題となった、雨衣×重音テトの新曲『目撃!テト31世』。

ポップでコミカルなハロウィンソングのようでいて、その裏には“数字31”に込められた意味や、“MV炎上騒動”として注目を集めた背景など、深く読み解けるテーマが隠されています。

本記事では、この楽曲の歌詞構成・モチーフ・演出意図を中心に・・・

  • なぜ「31」という数字が象徴的なのか
  • なぜ雨衣でなければならなかったのか
  • MV炎上の真相と受け止め方

といった点を丁寧に考察していきます。

この記事を読むことで、『目撃!テト31世』の“ハロウィンらしさ”と“重音テトという存在の奥行き”をより深く楽しめるようになるはずです。




「31」という数字の意味~歌詞から考察


 31=重音テトの年齢 × 10月31日(ハロウィン)

▼歌詞※クリック(タップ)で拡大

タイトルやサビで繰り返される「31」という数字は、ハロウィンの日付(10月31日)を示すと同時に、重音テトの設定年齢「31歳」とも重なっています。

つまりこの曲では、「ハロウィン」と「テト自身の存在」をひとつに結びつけた二重の意味が込められているのです。

英語パートの「Today is the 31st」はハロウィン当日のにぎやかさを演出し、さらに「Teto is 31」というフレーズが重なることで、テト自身が“ハロウィンの象徴”して描かれています。

テトは見た目もテンションも少女のようですが、設定上は31歳。

この“年齢とキャラのギャップ”こそ、彼女の最大の魅力です。

「31歳」と「31日」を重ねることで、“大人だけど無邪気”という二面性を巧みに表現しているといえます。

また、「奪ったげるわ」「捕まえてみろよ」といった挑発的な言葉には、“テトが31代目の怪盗”であるかのような遊び心が感じられます。

「年齢・日付・キャラクター・物語・・・」そのすべてを「31」という数字でつないでいる点が、この曲の最大の仕掛けでしょう。

実際に歌詞後半では「奪う」「捕まえてみろよ」というフレーズが登場し、まるで怪盗のようなキャラクター性を感じさせます。

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考察① ハロウィンらしい「奪う」と「奪われる」の遊び

この曲では「奪う」「撃ち抜かれる」「飛び出す」といった能動的な動詞が多用されています。

表面的には挑発的で危うい印象ですが、その裏には「あなたをドキドキさせたい」という純粋な感情が隠れています。

「初めて ボクが奪ったげるわ」というセリフは、ハロウィンの“お菓子を奪う”や“心を奪う”という遊びを象徴しています。

テトの「奪う」は破壊ではなく、“あなたの心を掴む”という愛の表現なのです。

だからこそ、「痛くしないから」と優しく続けるのです。

考察② 無邪気さと恋心の交錯

後半に登場する「おかしなこと言ってもいい? ボクと結婚してくれ!」という唐突な告白は、まさにテトらしい無邪気さの象徴。

相手に「おまえと結婚する訳ないんだがー?」と返され、絶叫するくだりもコミカルですが、どこか切なさを感じさせます。

ここでは、テトは“奪いたいけど、奪えない”という矛盾した感情が描かれています。

強気で明るく振る舞いながらも、内心では報われない恋を抱えている・・・

そんな人間的な弱さが垣間見える場面です。

考察③ 「目撃!」というタイトルが示すもの

「目撃」という言葉には、「事件」「驚き」「秘密の発覚」といったニュアンスがあります。

つまりこの曲は、テト31世というキャラクターの“正体”や“本心”を「見てしまった」物語でもあります。

序盤の謎かけ調のやり取りから始まり、パーティでテンションを上げ、最後は「捕まえてみろよ!」と挑発して幕を閉じる。

聴き終えた後、私たちはまるでテトに心を“奪われた”目撃者のような感覚を覚えます。

なぜ「雨衣×重音テト」が噛み合ったのか

 重音テトはもともと“UTAU出身の非公式キャラクター”

ボーカロイドの中でも特にパロディ性とセルフメタを内包した存在です。

「本物のボカロじゃないけど、本物以上に人気がある」という、ユニークな立ち位置を持っています。

雨衣の楽曲は、まさにその“本物と偽物のあいだ”を活かす作風。

「冗談のようで本気」「ふざけているのに胸に刺さる」

この二重構造を描けるからこそ、テトの世界観と完全に一致したのです。

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考察① 「お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️」以降の“雨衣節”の進化


「お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️」で注目を浴びた雨衣は、“中毒性のあるフレーズ”と“英語まじりのリズム感”を得意としています。

「目撃!テト31世」でもそれは健在で、「PARTY PARTY」「PUMPKIN PUMPKIN」「ZOMBIE ZOMBIE」といったリフレイン型の構成が曲全体を中毒的にしています。

これらの“音の遊び”は、まさに雨衣作品の真骨頂。

一方で、曲の終盤ではテトの告白や感情がにじみ出る展開があり・・・

「ふざけているのに、どこか切ない」という感情の落差を演出しています。

それはまさに、ネタ曲を越えた“雨衣らしさ”の進化形といえるでしょう。

考察②「雨衣じゃないといけなかった理由」

  • 重音テトという“ネタと本気の狭間”を描ける作家性を持っていたこと
  • 英語リフレイン×日本語掛け合いのテンポ感を活かせるリズム設計が得意だったこと
  • SNS文化的な“バズの文法”を理解していること(=テンポ、ギャグ、音の快感のタイミングが絶妙)
  • テトのキャラクターを“いじりながら愛する”距離感を持っていること

雨衣は、“重音テトが現代のインターネットで再びバズる”ための最適解だったのです。

彼でなければ、「ハロウィン×テト×ユーモア×狂気」の絶妙な温度感は生まれなかったでしょう。

考察③「雨衣はテトの“現代的な翻訳者”」

「目撃!テト31世」は、ハロウィンの華やかさと、テトという存在のメタ的面白さを融合させた作品です。

雨衣はその中で、“UTAUから生まれたキャラクターが、今もネットで愛され続ける理由”を音楽的に再提示したと言えます。

「横文字おじさん」で生まれた“バズのノリ”を武器に、雨衣はテトを「“令和のハロウィン怪盗”」として再定義した・・・

それが、この曲の本質なのかもしれません。

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考察のまとめ

 「奪う」のは“恐怖”ではなく“ときめき”

「目撃!テト31世」は、ハロウィンの夜を舞台にした恋と遊びのファンタジーです。

“奪う”という言葉に込められた意味は、恐怖でも略奪でもなく、「あなたを楽しませたい」「心を動かしたい」という純粋な想い。

重音テトという存在そのものが、まさに人の心を奪う魔法のようなキャラクターなのです。

MV炎上騒動


 はろける・HALLO CELさんが制作したMVが、channelさんの作風に似ているとして、一部のユーザーから心ないコメントが寄せられているようです

channelさんといえば、柊マグネタイトさんの「雑魚」や、なきそさんの「いますぐ輪廻」など、人気曲のMVを多数手がけてきた映像クリエイターです。

はろける・HALLO CELさんの7作目「キャンディークッキーチョコレート 🍭🍪🍫(初音ミク・重音テトSV)」も、たしかにchannelさんの演出スタイルからインスピレーションを受けたような構成になっています。

しかし、心ないコメントが増える中で、HALLO CELさん自身は次のようにポストしています。

誤解されてるのでこれだけは説明しておきたいのですが、channelさんには公になってはいないですがDMで改めてちゃんと応援してもらっていますし、ありがたいことにフォローもしていただいております…」

この投稿からも分かるように、両者の間に対立やトラブルはなく、むしろ健全なリスペクト関係があるようです。

クリエイターは、誰かの作品に影響を受けながら成長していくものです。

確かにHALLO CELさんの映像にはchannelさんの影響が見られますが、それは“模倣”ではなく“学び”や“リスペクト”の範囲です。

完全なコピーや無断使用をしているわけでもなく、オリジナルの世界観や物語性がしっかりと存在しています。

ちなみに、8作目「目撃!テト31世🎉🎃🧟(雨衣・重音テト)」を制作していたとき、HALLO CELさんはまだ18歳だったそうです。

※映像も音楽も18歳のはろける一人でやってます

若いながらも音楽・映像・演出を一人で手がけているというのは、驚くべき才能です。

そうした背景を知ると、今回の議論も少し違った見方ができるのではないでしょうか。

クリエイターの世界では、“影響を受けること”は自然なことです。

まだ10代のクリエイターが、尊敬する作家たちのエッセンスを吸収しながら自分のスタイルを磨いている。

それは、創作の健全な成長過程です。

一人の若き才能を温かい目で見守ってほしいと思います。

SynthesizerV2・重音テト 発売決定!!

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