【初心者向け】Synthesizer VとVOCALOIDの違いを徹底比較!どっちを選ぶべき?

「Synthesizer V」「VOCALOID(ボカロ)」どちらも“歌声合成ソフト”として人気ですが「実際どう違うの?」と思う方も多いのではないでしょうか。

今回は、この2つの違いを初心者の方にもわかりやすく、ゲーム機に例えながら解説します。

共通点 どちらも「歌声合成ソフト」

 基本的な枠組みは同じです

どちらも歌詞とメロディを入力すれば、キャラクターが歌ってくれる「歌声合成ソフト」です。

ちなみに世界最古の歌声合成ソフトが歌った曲は 1961年の「Daisy Bell(デイジーベル)」だそうです。

主な違い:メーカーと互換性

 違いを簡単にまとめると、次のようになります
 メーカーが違う
VOCALOIDはヤマハ、Synthesizer VはDreamtonicsという別の会社が開発しています。

 互換性がない

それぞれのソフトで作った歌声データは、基本的に共有できません。

つまり、VOCALOIDで作った歌声はSynthesizer Vでは動かず、その逆も同様です。

けいいち
けいいち
ただし、DAW上でオーディオとして取り込むことは可能です。

ゲーム機でたとえると…

 この違いは「ゲームハード」「ソフト」の関係に似ています
 PS5もSwitch2もゲーム機
Synthesizer VもVOCALOIDも「歌声合成ソフト」

 メーカーが違う
PS5はソニー、Switch2は任天堂。

同様に、Synthesizer VはDreamtonics、VOCALOIDはヤマハが開発しています。

 ソフトの互換性がない

PS5のソフトはSwitch2で遊べないように、VOCALOIDの初音ミク V4XはSynthesizer Vでは動作しません。

動作するのは「Piapro Studio」「VOCALOID6」といった対応ソフトだけです。

けいいち
けいいち
つまり、Piapro StudioやVOCALOID6が「ゲーム機本体」で初音ミクV4Xが「ゲームソフト」というイメージです。

例外もある

一部には、両方の環境に対応しているキャラクターもいます。

たとえば、GUMI(Megpoid)はVOCALOID版とSynthesizer V版の両方が存在します。

これは、PS5版とSwitch2版が別々に発売されているゲームソフトのようなものです。

同じキャラクターでも、プラットフォームが違うために歌声や調整の仕方、対応している言語が異なる点には注意が必要です。

細かい違い①:起動方法と使い勝手

 Synthesizer Vは単体でも起動できます


つまり、DAW(Cubaseなど)を立ち上げなくても使えるので、手軽に制作を始められます。

もちろんDAWと連携して使うことも可能です。直感的に扱える点が魅力です。

 VOCALOID(例:初音ミクV4X)は、基本的にCubaseなどのDAW上で動作します

そのため、起動に少し手間がかかります。

ただし、VOCALOIDには無料版Cubaseが付属しているので、導入のハードルは低めです。

一方、Synthesizer VにはDAWが付属していないため、DTMを本格的に始める場合は別途用意する必要があります。

けいいち
けいいち
とはいえ、オーディオインターフェースを購入すると、無料版DAWが付属するケースも多く、始めやすい環境は整っています。

細かい違い②:調整(チューニング)

 歌声合成ソフトの醍醐味といえば「調整(チューニング)」 

同じメロディでも、調整の仕方によって歌の表情がまったく変わります。

●Synthesizer VはAIが自動で歌唱を補正してくれるため、ベタ打ち(そのまま入力)でも人間らしい自然な歌声が出せます。

●VOCALOIDは、従来のボカロらしい機械的な歌声が特徴です。

けいいち
けいいち
機械音っぽさが好きな人や、そこから「人間らしさ」を作り込む過程を楽しみたい人にはぴったりです。

おすすめはどっち?

 結論としては、好きな方を使えばOK 

どちらにも魅力があり、目的によって選び方が変わります。

 Synthesizer V
最新の「Pro2」ではより人間らしい歌声表現が可能に。

仮歌作成やリアルな歌唱を求める人におすすめです。
重音テトなど、人気の歌声も数多く対応しています。

 VOCALOID
初音ミクや鏡音リン・レンなど、長年のボカロ文化を支えてきた定番シリーズ。

「NT2シリーズ」や、今後登場予定の「初音ミク V6 AI」など、進化にも注目です。

ボカロらしさやキャラクター性を重視する人におすすめです。

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Synthesizer VとVOCALOIDの比較まとめ

比較項目 Synthesizer V VOCALOID
開発元 Dreamtonics ヤマハ(※各キャラクターは別のメーカーが音声を制作)
起動方法 単体アプリで起動可能。DAWと連携もOK。 基本はDAW上で動作(Piapro StudioやVOCALOID6等)。
互換性 専用形式のためVOCALOIDとは直接互換性なし(オーディオ書き出しでの共有は可)。 専用形式で互換性なし。対応するホストやプラグインで動作。
音声の傾向 AIによる自動補正で自然で生っぽい歌声が得やすい。 機械的なキャラクター性が強く、細かく調整する楽しみがある。
対応キャラクター例 重音テトなど(SynthV対応版があるキャラ)。 初音ミク、鏡音リン・レン、GUMI(VOCALOID版)など。
例外・クロス対応 GUMIのように両プラットフォーム向けに発売されるケースあり(ただし別製品)。 同上(プラットフォーム別に別製品として提供されることが多い)。
向いている用途 仮歌や自然な歌声が欲しいとき、直感的に制作したい人向け。 ボカロらしい個性を活かした楽曲制作や、細かい調整を楽しみたい人向け。

使い方メモ:スマホでも横スクロールで見やすいように設計しています。

他にもある歌声合成ソフトたち

今回は、Synthesizer VとVOCALOIDの違いを中心に紹介しましたが、実は他にもさまざまな「歌声合成ソフト」が存在します。

代表的なものを挙げると、以下のようになります。

  • UTAU(ウタウ)
  • 可不(KAFU)
  • CeVIO AI
  • VoiSona(ボイソナ)
  • NEUTRINO(ニュートリノ)
  • ACE Studio
  • VOICEVOX(ボイスボックス)
  • VOX Factory(ボックスファクトリー)

これらのソフトも、Synthesizer VやVOCALOIDと同じく「歌声合成ソフト」というカテゴリーに含まれます。
ただし、ゲーム機とゲームソフトの関係にたとえるとわかりやすいように、
「動作環境」「対応形式」、「使える音声ライブラリ」などがそれぞれ異なります。

また、ソフトによっては開発が終了したり、販売が中止されたりするケースもあります。
たとえば、「可不(KAFU)」はかつてSynthesizer V向けでのリリースが予定されていましたが、残念ながら中止となりました。

まとめ

今回は、Synthesizer VとVOCALOIDの違いについて紹介しました。
どちらも「歌声合成ソフト」という同じ枠組みではありますが、開発元や使い方、音声の特徴などに明確な違いがあります。

  • Synthesizer V:AIによる自動補正で自然でリアルな歌声が得やすい

  • VOCALOID:機械的でキャラクター性が強く、調整の自由度が高い

どちらが優れているというよりも、「どんな目的で使うか」によって選ぶのがポイントです。

自然で人間らしい歌声を求めるなら「Synthesizer V」、従来のボカロらしい音やキャラ性を重視するなら「VOCALOID」がおすすめです。

また、近年はこれら以外にも多くの歌声合成ソフトが登場しています。

UTAU、CeVIO AI、VoiSona、NEUTRINO、VOICEVOX、ACE Studio、VOX Factoryなど、
それぞれ異なる特徴を持ち、用途に合わせて選ぶことができます。

ただし、ゲーム機とソフトの関係に似ており、ソフトによって対応する音声や形式が異なる点には注意が必要です。
また、開発や販売が終了している製品もあるため、購入や導入の際は最新情報を確認しておくと安心です。

今後もAI技術の進化により、歌声合成ソフトはますますリアルで表現力豊かになっていくでしょう。
自分の制作スタイルや好みに合ったソフトを見つけて、ぜひ音楽制作を楽しんでください。

SynthesizerV2・重音テト 発売決定!!

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