
今回は、音楽業界で話題になっている「作曲家が自分の曲をコンサートで演奏したらJASRACから使用料を請求された」というニュースについて取り上げます。
SNS上では、
- 「自分の曲を演奏しただけなのにお金を取るなんておかしい!」
- 「JASRACひどすぎる」
といった声が多く上がる一方で、
- 「JASRACは正しく仕事をしているだけ」
- 作曲家自身も仕組みを理解しておくべき」
という冷静な意見も見られます。
ことの発端
音楽人の猪原純さんが自身のX(旧Twitter)で次のように投稿しました。
JASRACから封筒が届きまして、
なんだろうと思い開けると先日ソロコンサートで演奏したオリジナル曲に対する著作料の請求でした👀著作者わたしなんだけど、自ら演奏しても著作権に対する使用料がかかるのか、わからん山。どういう仕組みなの。
これ、問い合わせてみようかしら🤔
引用 URL https://x.com/AffairJ914/status/1976512731542081612
JASRACから封筒が届きまして、
なんだろうと思い開けると先日ソロコンサートで演奏したオリジナル曲に対する著作料の請求でした👀著作者わたしなんだけど、自ら演奏しても著作権に対する使用料がかかるのか、わからん山。どういう仕組みなの。
これ、問い合わせてみようかしら🤔 pic.twitter.com/rVRUJV2Ome— 猪原純 (Jun Inohara) (@AffairJ914) October 10, 2025
この投稿がきっかけでネット上では大きな議論に発展。
「さすがにこれは納得できない」と擁護する声も多数あがりました。
JASRACの仕組みを簡単に説明
結論から言うと、JASRACは正しい対応をしています。
なぜなら、曲をJASRACに「信託」している場合、その曲の使用をすべてJASRACが管理することになるからです。
つまり、作曲者本人であっても「使用者」として扱われ、演奏のたびに使用料が発生します。
ただし、「自己利用」として後日返金されるケースもあります。
ある専門家はこう説明しています👇
「自分で作ったものが店に並んでいたとしても、それを“タダで”持ち帰ることはできません。それと同じ理屈です。」
じゃあ自分の曲を使うたびに損なの?
そう感じるかもしれませんが、実際はそうではありません。
支払った使用料は、最終的に作曲者本人のもとに著作権料として戻ってきます。
また、ライブハウスやイベント主催者が使用曲をまとめて申請するため、「誰がどの曲を演奏したか」をJASRACがチェックする必要があります。
そのため、例外的な「本人の演奏だから無料」という処理をしてしまうとトラブルやミスが増えるリスクがあるのです。
ネットの反応まとめ
- 「自分の曲でも請求されるのは変な気もするけど、仕組みとしては正しい」
- 「JASRACはきちんと仕事をしている証拠」
- 「信託している時点で管理を任せているのだから当然」
- 「嫌なら自分で著作権を管理すればいいけど、現実的には大変すぎる」
一方で、
「生みの親からもお金を取るのは心情的に納得できない」
という声も根強くあります。
本人のコメント
猪原純さんは反響を受けてこうコメントしています。
JASRACはJASRACの仕事をしただけなんですね。
今回の件でとてもよく分かりました。
僕自身はJASRACの非会員(←大多数らしい)で、直接の信託契約を結んでいませんが、実際請求を受けたこの楽曲は、以前バンドで出版したことのある自作曲で、事務所を通じてJASRAC登録してあります。自作曲とはいえ、当楽曲の著作権はもう手元にはないということを考えれば当然のことでした。
(業界の議論は残るところですが)個人的なポストがこんなになるなんて驚きでしたが、知らないことがリスクになる良い例だと思いました。使用料も本日支払いました🙌
JASRACはJASRACの仕事をしただけなんですね。
今回の件でとてもよく分かりました。
僕自身はJASRACの非会員(←大多数らしい)で、直接の信託契約を結んでいませんが、実際請求を受けたこの楽曲は、以前バンドで出版したことのある自作曲で、事務所を通じてJASRAC登録してあります。…— 猪原純 (Jun Inohara) (@AffairJ914) October 12, 2025
まとめ
今回の件は、JASRACが悪いというよりも「著作権の仕組みを誤解していたこと」が原因といえそうです。
作曲家自身が信託契約を結んでいれば、その曲は「JASRACが一括管理」する対象になるため、本人が使っても一度使用料が発生する――というのが正しい仕組みです。
ちょっと不思議な感じもしますが、裏を返せばそれだけ自分の作品がしっかり守られているということでもあります。


