
「作曲と編曲の違いって、正直よくわからない…」
DTM(デスクトップミュージック)を始めたばかりの人なら、そんな疑問を感じたことがあるはずです。
どちらも曲を作る作業に見えますが、実は担当する役割や求められるスキルがまったく違うんです。
この記事では、初心者でもスッと理解できるように、作曲と編曲の違い・役割・必要スキルをわかりやすくまとめました。
この記事を読むことで──
- 作曲と編曲の違いがはっきりわかる
- 自分がどちらに向いているかが見えてくる
- DTMで曲を作る流れを理解できる
ようになります。
「とりあえず曲を作ってみたい」「どこから手をつければいいかわからない」
という方は、まずここから一歩踏み出してみましょう!
作曲と編曲、そもそも何が違うの?
カラオケや音楽番組などで「作詞・作曲・編曲」というクレジットを見たことがあると思います。
特に最近では、米津玄師さんの『KICK BACK』で King Gnuの常田大希さんが編曲として参加したことも話題になりました。
しかし、この「編曲」って具体的に何をするのか、意外と知られていないんですよね。
結論から言うと──
- 作曲=ボーカルが歌う「メロディー」と「コード進行」を作ること
- 編曲=メロディー以外の「演奏部分」を作ること
作曲はメロディーやコードを組み合わせて曲の“骨組み”を作る作業。
一方、編曲はその骨組みに対して楽器やリズムを加え、曲全体を仕上げていく作業です。
作曲とは?メロディーとコードで世界を作る
作曲は、曲のメインとなるメロディーとコードを作ることです。
たとえば、ギター片手に鼻歌を歌いながらメロディーを考える──
あのシーン、まさに「作曲」です。
「どんな雰囲気の曲にしたいか?」という方向性を決めながら、ボーカルが歌うメロディーとコード進行を構築していきます。
つまり、曲の“設計図”を描くのが作曲者の役割です。
編曲とは?メロディーを膨らませて作品にする
一方の編曲(アレンジ)は、すでにできているメロディーに対して楽器構成やリズム、音色などを加え、曲を完成形へと導く工程です。
- どんな楽器を使うか
- リズムやテンポをどうするか
- ハーモニーや裏メロをどう構成するか
こういった要素を組み合わせて、楽曲全体に“厚み”と“世界観”を与えるのが編曲者の仕事です。
特に音色選び(サウンドデザイン)は非常に重要。
現代の音楽制作では何百・何千という音色の中から、その曲に最も合うサウンドを選ぶ必要があります。
この選択だけで何時間もかかることも珍しくありません。
作曲と編曲の違いまとめ:2つの役割と必要スキル
作曲と編曲の大きな違いは、「役割」と「必要なスキル」です。
| 項目 | 作曲 | 編曲 |
|---|---|---|
| 目的 | 曲の設計図を作る(メロディーとコードで方向性を決める) | 曲を完成形に仕上げる(楽器構成やリズムで世界観を作る) |
| 内容 | メロディー制作、コード進行の作成、曲の基本構造の設計 | 楽器選定、音色選び、リズム・ハーモニー・裏メロの構成 |
| 求められるスキル | 音楽理論、メロディーセンス、曲作りの発想力 | サウンドデザイン、アレンジ力、ミックスに近い音作りの知識 |
作曲者は曲の方向性を決めるリーダー的存在。
一方、編曲者はその世界観を具体的な音として形にする職人です。
編曲を依頼するときの注意点
作曲と編曲を別の人が担当する場合、コミュニケーションが非常に重要です。
意図がうまく伝わらないと、「イメージと違う仕上がりになる」なんてこともよくあります。
外部のアレンジャーに依頼する際は、次の4点を必ず確認しておきましょう。
- 過去の作品をチェック(得意ジャンルを把握)
- 参考曲(リファレンス)を複数用意して依頼
- 税込・税別の金額表記を確認
- 修正や再アレンジの料金を事前に確認
特に修正費用の有無はトラブルになりやすいポイントです。
信頼できる相手に依頼するようにしましょう。
自分で編曲もできるようになろう
作曲を学ぶ方には、できれば編曲も自分でできるようになることをおすすめします。
もちろん、すべてのパートを完璧にこなすのは難しいですが、基本的なアレンジスキルがあるだけで制作の自由度が大きく上がります。
たとえば、
- ドラムやリズムだけ外注する
- 上モノ(シンセやストリングス)だけ依頼する
といったように、自分でできない部分だけを任せる方法もあります。
まとめ
最後にまとめです。
- 作曲→メロディーとコードを作る「設計」作業
- 編曲→リズムやハーモニー、音色で楽曲を「仕上げる」作業
そして、外注時は信頼できる相手に依頼し、条件をしっかり確認すること。
すべてを自分でやる必要はありませんが、両方の基礎を理解しておくことが、音楽の幅を広げる第一歩になります。

