
今回は、歌詞の書き方をテーマに解説します。
先日公開したオリジナル曲「青空のように(歌:樋辻澪)」を例に、実際にどのような流れで歌詞を作ったのか紹介します。
DTMや作曲の解説はたくさんありますが、作詞について詳しく解説している情報は意外と多くありません。
「歌詞ってどうやって作ればいいの?」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
① テーマを決める
今回のテーマは、
- ・創作の始まり
- ・ワクワクする気持ち
- ・でも少し不安もある
この3つでした。
また、樋辻澪の歌声には、少年のような初々しさと天使のような透明感を感じたので、そのイメージも歌詞に取り入れています。
最初から完璧に考える必要はありません。
まずは、思い浮かんだイメージやインスピレーションを大切にしましょう。
② タイトルを決める
今回は「青空のように」に決めました。
実は「晴天のように」という候補もありましたが、「青空」のほうが柔らかく、希望を感じられる響きだったためこちらを選びました。
「たくさんの創作が生まれ、広がっていく世界」を青空で表現しています。
③ キーワードを書き出す
例えば、
・青空
・白い空
・色づく
・色を塗る
・風
・雨上がり
・メロディ
・今日
・明日
・晴れる
・希望
・始まり
などです。
この段階では、質より量を意識します。
「良い言葉かどうか」は考えず、とにかく思いつくまま書き出すことが大切です。
④ キーワード同士をつなげる
例え、
- 白い空=まだ何も描かれていない状態
- 色を塗る=創作すること
- 色づく=作品が形になっていくこと
- 青空=創作が広がる世界
- 雨上がり=悩みや迷いを乗り越えたあと
このように言葉同士を結び付けることで、歌詞全体の世界観が出来上がっていきます。
⑤ 比喩や二重の意味を考える
例えば、サビの最後にある
「青く 明日晴れるかな」
というフレーズ。
これは天気のことだけではありません。
- 作品は完成するかな
- 創作はうまくいくかな
- 未来は開けるかな
という意味も込めています。
そして2回目のサビでは、
「青く きっと晴れるから」
に変えています。
「かな」は不安や迷いを表現し、「から」は希望や前向きな気持ちを表現しています。
たった一言の違いですが、曲全体のストーリーとしては大きな意味を持っています。
⑥ メロディに合わせて歌詞を書く
意識しているポイントは、
- 言葉の響き
- リズム
- 歌いやす
の3つです。
最初から100点を目指す必要はありません。
7割くらいできれば十分です。
今回は作曲と作詞を同時に進めたので、メロディを調整しながら歌詞も何度も書き直しました。
イメージとしては、パズルを組み立てる感覚に近いです。
⑦ 声に出して確認する
歌声合成ソフトを使ってチェックするのもおすすめです。
確認するポイントは、
- 歌いにくくないか
- 意味は伝わるか
- 語感は自然か
歌詞は「読む文章」ではなく「歌う文章」です。
実際に声に出すことで、違和感に気付きやすくなります。
今回一番大切にしたこと
樋辻澪は、新しく発売された歌声合成ソフトです。
「これからどんな作品が生まれていくんだろう。」
そんなワクワク感がある一方で、
「ちゃんと作れるかな。」
という不安もあると思います。
この「期待」と「不安」の両方を歌詞のテーマにしました。
また、「青空のように」というタイトルには、多くの創作が生まれ、未来へ広がっていってほしいという願いも込めています。
今回の歌詞は、
テーマ
↓
タイトル
↓
キーワード
↓
言葉に意味を持たせる
↓
比喩や二重の意味を加える
↓
歌詞を書く
という流れで制作しました。
さらに、
- 白い空(何もない状態)
- 色を塗る(創作する)
- 色づく(作品が形になる)
- 青く晴れる(未来へつながる)
という一本のストーリーを意識して構成しています。
最後に
課題
・意味がありそうで実は意味がない言葉や、造語も自然に使えるようになりたいこと
例えば、好きな歌詞の一つに、井上陽水さんの「少年時代」があります。
歌詞の中に登場する「風あざみ」という言葉は、実は造語だと言われています。
意味がはっきり決まっていないからこそ、聴く人それぞれが自由に想像できます。
自分は言葉を意識しすぎて、メロディが不自然になってしまうことがあります。
そのため、「メロディに自然に乗るなら、造語でも良い」という柔軟な考え方も取り入れていきたいと思っています。
特にボカロ曲は、「深い意味があるのでは?」と考察したくなるような歌詞が多いですよね。
だからこそ、あまり難しく考えすぎず、響きや雰囲気を大切にすることも重要だと思っています。
大切にしたいこと
一方で、どんな曲でも変えたくないことがあります。
それは、
「テーマ」と「伝えたいこと」は必ず曲に持たせること。
曲作りは悩むことや行き詰まることも少なくありません。
そんなときに制作の軸になってくれるのが、「テーマ」と「伝えたいこと」です。
この軸があるだけで、歌詞もメロディもブレにくくなります。
歌詞を書くのが苦手という方は、まずはテーマを一つ決めるところから始めてみてください。
そこから少しずつ言葉を広げていけば、自分だけの歌詞がきっと作れるようになります。
