DTM初心者と中級者の8つの違い|作曲が上達する人・止まる人の決定的な差とは?

今回は「DTM初心者と中級者の違い8選」というテーマでお話ししていきます。

DTMを始めてしばらく経つと、「自分はまだ初心者なのかな? それとももう中級者?」と感じること、ありますよね。

この記事を最後まで読んでいただくと・・・

  • 自分が初心者なのか中級者なのか
  •  初心者が中級者になるために足りないもの

がはっきり分かるはずです。

それでは早速いってみましょう!




違い①:プリセット活用から音作りへのステップ

初心者の方は、ソフト音源を開いたときに最初から入っているプリセット音色をそのまま使うことが多いです。

もちろん悪いことではありませんが、どうしても曲全体の音が「既製品っぽい」印象になります。

一方、中級者になるとプリセットを自分好みに調整(エディット)します。

たとえばドラム音源「Addictive Drums」では、スネアのピッチやリリースを曲に合わせて変えるなどですね。

プリセットのままで違和感を感じないのが初心者、「なんか合わないから変えたい」と思うのが中級者。

この“気づき”が成長の第一歩です。

補足~プリセットについて

プリセットを否定しているわけではありません。

なぜなら、プリセットはメーカーが「その音源の魅力を最大限に引き出したおすすめサウンド」を提供しているからです。

特に初心者のうちは、ゼロから音を作るよりも、まずはプリセットを活用する方が効率的です。

どんな音が曲に合うのかを学ぶための“良い教材”にもなります。

ただし、初心者から中級者へステップアップするためには、「プリセットをそのまま使う」のではなく、自分の楽曲に合うように音を調整する意識が必要です。

違い②:ベタ打ちからグルーヴ感へ

初心者は、ドラムやピアノを打ち込むときに全て同じ強さ(ベロシティ)・タイミングで入力してしまいがち

これだとどうしても打ち込み感が強く出ます。

中級者はグルーヴ(ノリ)を意識して、ベロシティを変化させたり、微妙にタイミングをズラしたりします。

特にハイハットやスネアのゴーストノートの強弱をつけるだけで、驚くほど「人間らしい」演奏に近づきます。

この“機械的→グルーヴ感のある演奏”への意識の変化こそ、中級者への入口です。

とくに人間が演奏している前提のジャンル、例えばバンドサンドだとグルーブ感は凄く重要です。

補足~打ち込みの聴き方と評価ポイント

DTMで打ち込んだ曲を聴くときは特に、「打ち込みなのか、それとも人が実際に演奏・レコーディングしたのか」を意識して聴きます。

そして、打ち込みの楽曲では必ず、「ベロシティ(音の強弱)」と「タイミングの“良い意味でのズレ”」*を意識しているかどうかをチェックします。

この2つを丁寧にコントロールしている曲は、手間と時間をかけて“人間味”を出しているため、自然と評価が高くなります。

ただし、これはあくまで曲のジャンルや方向性にもよります。

たとえば、テクノやシンセポップなど機械的なサウンドが魅力のジャンルでは、あえて「ベタ打ち感」を残すことで世界観が際立つ場合もあります。

違い③:トラックの量より引き算の美学

初心者は「音を重ねれば豪華になる」と思い、20〜30トラックも使ってしまうことが多いです。

しかし中級者になると逆に、不要な音を削る「引き算」を覚えます。

少ない音でも、整理されたミックスで十分に成立するんです。

少ないトラック数でも、しっかり完成されたサウンドになります。

音楽も料理と同じで、素材の良さを引き立てる“シンプルさ”が重要です。

補足~ミックス専用のファイルを活用する

筆者の最近の制作手順を紹介します。

「打ち込み用のファイルで作成→各トラックをオーディオで書き出す→ミックス専用のファイルで作業」

書き出し作業は少し手間ですが、オーディオ化して別ファイルで作業することでパソコンの負荷が大幅に軽減され、動作が軽く、サクサクと作業を進められます。

結果的にミックスの集中力も途切れにくくなるので、とてもおすすめの方法です。

違い④:EQは足すより削る意識へ

初心者は足りない音を足すためにEQをブーストします。

「もっと低音が欲しい」「高音を出したい」といった感じですね。

中級者は逆で、不要な帯域をカットして整理します。

たとえばピアノの低域、ハイハットの低域など、混ざると濁る部分を削ることで全体がスッキリします。

EQを「足すため」から「整理するため」に使えるようになると、音が一気にプロっぽくなります。

これは大きな転換点です。

違い⑤:リファレンスの使い方で差がつく

初心者はリファレンスを使わなかったり、丸ごと真似してしまったりします。

それだと“劣化コピー”になってしまうことも。

中級者はリファレンスを分析ツールとして活用します。

・ドラムの音量バランス
・楽器の定位(左右の位置)
・EQの抜け感
・FX(効果音)

などを部分的に比較・分析することで、自分の曲に生かします。

大切なのは「パートごとに聴き比べて違いを理解する」こと。

これができるようになると、リファレンスを真の教材に変えられます。

違い⑥:曲を完成させる力

初心者あるあるが「曲の一部分だけを作って終わる」=「完成しない」です。

“未完成作曲者”になっていませんか?

中級者は、短くても完成させることを重視します。

1分でもイントロ・展開・エンディングがあれば、それは立派な一曲です。

筆者には、絶対ルールがあります。

それは・・・

  • 「作り始めたら、完成するまで作る」
  • 「他の曲には手を出さない」

たったこれだけです。

途中でやめてしまうと、それが“やめ癖”になります。

とくに作曲は煮詰まってなんぼ。うまくいかないのが当たり前です。

「作る → 煮詰まる → 手が止まる → 他の曲を作る → また煮詰まる → また別の曲を作る」

このループに入ると、永遠に曲が完成しません。

違い⑦:ミックスで立体感を意識する

初心者はフェーダー(音量)調整で終わりがち。

もちろん大切ですが、それだけでは立体感が出ません。

中級者は・・・

  • 左右(パンニング)
  • 前後(リバーブ・ディレイ)
  • 広がり(ステレオイメージ)
  • 波形処理

を意識して、音を配置します。

リバーブの深さで「遠近感」を作ったり、ダブラーでステレオ感を広げたり。

この“空間をデザインする感覚”を持つと、初心者っぽさが一気になくなります。

補足 ~ 波形処理について

筆者は、「ミックス専用のファイルを活用する」で紹介した通り、すべてのトラックをオーディオファイルに書き出してからリミックスしています。

オーディオに書き出すことで、波形として目で確認できる・・・

「つまりサウンドの可視化ができるんです。」

打ち込みの段階では「完璧に合っている」と思っていても、波形で見ると意外とタイミングがズレていることがあります。

この“悪いズレ”を見つけて修正することこそ、ミックス力を上げるための大切なステップです。

違い⑧:目的意識を持った制作

初心者は「とりあえず作る」ことが目的になりがち。

もちろん最初は楽しむことが一番ですが、中級者になると明確なゴールを持っています。

  • 「アニソン風に仕上げたい」
  • 「EDMっぽく作りたい」
  • 「バンドサウンドを再現したい」

といった完成イメージを最初から描けるようになるんです。

自分の得意なスタイルを理解し、目標を意識して制作することで、成長スピードが一気に上がります。

補足 ~ 漫画家と編集者コンテンツが勉強になる

筆者は作業中、BGMの代わりに漫画家や編集者のYouTubeチャンネルをよく聴いています。

漫画家さんって、本当に仕事量が桁違いなんですよ。

ストーリーを考え、キャラクターを作り、セリフを練って、絵を描く・・・

週刊連載ともなれば、まさに修羅場です。

たぶん、全盛期の小室哲哉さんのように年間100曲以上を作っていたクリエイターと同じくらいのペース。

いや、それ以上かもしれません。

例えるなら、手塚治虫先生のように睡眠時間を削って何本も連載を抱える世界。

その「創作への執念」は、音楽制作にも通じるものがあります。

さらに、編集者の存在も非常に参考になります。

漫画家のセンスを最大限に引き出すのが編集者の仕事。

音楽で言えば、編曲やリファレンス設定のような役割です。

この「創る人」と「引き出す人」の関係性は、作曲や創作にとても勉強になります。

まとめ

 中級者への一歩は「意識の変化」から

初心者と中級者の違いは、技術よりも意識の持ち方にあります。

プリセットのまま満足せず、「なぜこの音にするのか」「どうすればより伝わるのか」を考えられるようになると、あなたも確実に中級者の仲間入りです。

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