
初心者DTM作曲者さん、こんな悩みはありませんか?
「リファレンス曲って、どう使えばいいのかわからない」
確かに、ネットや教本でも「リファレンスを使え」と言われますが、いざやろうとすると「何をどう真似すればいいの?」と迷う方も多いですよね。
そこで今回は、作曲・編曲・ミックスの3つのステップに分けて、「リファレンス曲をどう活かせばプロっぽい音になるのか」を分かりやすく解説します。
この記事を最後まで読めば、リファレンス曲を使ってあなたの作品を一気にレベルアップさせる方法が分かります。
それでは、さっそくいってみましょう!
そもそも「リファレンス曲」って何?
リファレンス曲とは・・・
「自分の作りたい曲に近い雰囲気を持ったお手本の曲」
のことです。
例えば、
- 「明るくて爽やかな曲を作りたい」なら → YOASOBIやOfficial髭男dismの曲
- 「エレクトロ系のサウンドを作りたい」なら → 宇多田ヒカルやAimerの打ち込み系楽曲
- 「ボカロ曲を作りたい」 → DECO*27やKanariaの曲
など、自分の目指す方向に近い“お手本曲”を選ぶ感じです。
この参考曲を作曲・編曲・ミックスの3つの場面で使うと、初心者でもグッとプロっぽい仕上がりに近づけるんです。
作曲でのリファレンス活用法
作曲の場面で「リファレンスの雰囲気を真似しよう」と言われても、抽象的で分かりづらいですよね。
そんなとき、おすすめしているのはズバリ・・・
「テンポとコード進行をまるごと真似して作ってみること」
手順はこうです。
- リファレンス曲を選ぶ
- BPM(テンポ)を調べて同じテンポでDAWプロジェクトを作る
- コード進行解析サイト(例:楽器.me、U-FRETなど)でコードを確認する
- そのコード進行をDAWに打ち込む
- 上に自分のオリジナルメロディを載せる
これだけで、プロっぽいハーモニー感が一気に出ます。
よくある質問に「ここまで真似したらパクリじゃないですか?」というのがありますが・・・
「結論!!問題ありません」
コード進行には著作権がなく、メロディやリズムを変えれば完全に別の曲です。
実際、C→G→Am→Fの進行なんて、数えきれないほどのヒット曲で使われています。
大事なのは、曲の骨格を借りて、自分の感性で肉付けすること。
構造を真似しながら、自分のメロディやリズムで個性を出すのがコツです。
この方法で作ると、作曲スピードもクオリティも格段に上がります。
補足:練習ならパクってOK!
どんどん真似して作曲してみましょう。
たとえば・・・
- 替え歌(メロディは同じで歌詞だけ変える)
- 市販曲のリミックス(音を足したりアレンジする)
- 「moises」でトラックを分解して研究・作曲する
こうした練習は、自分の作り方や引き出しを増やす大切なステップです。
イラストや漫画で例えるなら、ノートの端に好きなキャラを描いて練習するようなもの。
誰でも最初は、真似しながら“コツ”をつかんでいきます。
ただし注意点があります。
真似して作った曲を「自分のオリジナル曲です!」と発表したり、収益化するのは絶対NG。
あくまで、自分の勉強や練習の範囲で楽しむことが大前提です。
編曲(アレンジ)でのリファレンス活用法
初心者の方にぜひやってほしいのが・・・
リファレンス曲の「楽器構成」と「音色」を徹底的に真似すること。
手順はこうです。
①リファレンス曲を聴きながら、使われている楽器をリストアップする
(例:ドラム、ベース、ピアノ、ギター、シンセ、ストリングス、コーラスなど)
②その構成を、自分の曲でも再現してみる
このとき重要なのが、「各楽器がどの帯域を担当しているか」です。
- ピアノは中域でコードを支えているのか?
- ギターはリズムを刻んでいるのか?
- ストリングスは広がりを演出しているのか?
こうした役割を分析し、自分の曲に当てはめていくのがポイントです。
さらに、曲の構成(Aメロ→Bメロ→サビ→Cメロなど)も最初はリファレンスを「型紙」としてそのまま真似してOK。
「そこまで真似したらパクリでは?」と思うかもしれませんが、構成や楽器編成を学ぶのは「設計図を参考にしているだけ」です。
プロのアレンジャーも、リファレンスを基準に作るのは当たり前なので、まずは恐れずに、徹底的にトレースしてみましょう。
アレンジの迷いが一気に減ります。
ミックスでのリファレンス活用法
手順は以下の通り。
- リファレンス曲をオーディオトラックに取り込む
- 自分の曲とリファレンスの音量が同じくらいに聞こえるように調整する
- 以下の3つを重点的に比較する
①音量バランスを合わせる
ボーカル・キック・ベース・ギターなど、各パートの音量バランスを比べてみましょう。
「自分の曲はどこが出すぎてる?足りない?」を分析するだけでも勉強になります。
②定位(パンニング)を真似する
各楽器がどこに配置されているかを耳で確認します。
右・左・中央・広がり具合など、リファレンスと同じ配置にしてみると違いが分かります。
③空間の広がり(リバーブ・奥行き)をチェック
どの楽器にどのくらいリバーブがかかっているか、ボーカルはどの位置にいるかを観察してみましょう。
自分の曲が「狭く感じる」「平面的に聞こえる」ときは、リファレンス曲の空間処理を分析することでヒントが見つかります。
ただし、まったく同じにする必要はありません。
重要なのは「何が違うのかを認識すること」。
違いを理解した上で、自分の理想に調整すればOKです。
リファレンス活用でDTMの上達スピードが激変!
リファレンス曲を上手に使えるようになると、曲作りのスタートから完成までのイメージ精度が格段に上がります。
慣れてくると・・・
リズムはA曲を参考にコード進行はB曲をベースにサビの盛り上がりはC曲の感じでというように、複数のリファレンスから要素を組み合わせてオリジナルを作ることも可能です。
プロの作品を「分解して聴く」こと自体が、耳を育てる最高の練習になります。
つまりリファレンスを使うことは、耳を鍛えるトレーニングなんです。
ぜひ、毎回の制作で1曲はリファレンスを決めて取り組んでみてください。
制作スピードもクオリティも、驚くほど変わるはずです。
おすすめの練習素材:DECO*27さんの配布データ
概要欄のリンク先から、
- オケ(伴奏)
- ボーカルメロディ(MIDIデータ)
- MV素材
などを無料でダウンロードできます。
「歌ってみた」などで使えるように公開されていますが、実は作曲や編曲の勉強にも最高の教材なんです。
たとえば、
- ボーカルメロディを使って自分なりにコードや伴奏を変えて編曲してみる
- 曲の構成や展開を分析してみる
- どんな音源や音作りをしているのか研究する
- 音質のクオリティを参考にする
といった練習ができます。
無料でここまで学べる機会はなかなかないので、使わない手はありません。
ただし、使うときは利用規約をしっかり読んで守ること!
商用利用や無断転載などはNGなので、その点だけは注意してくださいね。
メッセージ性もリファレンス
たとえば同じラブソングでも、そこに込められた想いはさまざま。
- 心の傷を癒やすような曲
- 過去を振り返り、切なさを描いた曲
- 未来に向かって一歩踏み出す曲
どんな感情を描いているのかを意識しながら聴くと、曲の構成やサウンド選びの理由が見えてきます。
DTMや楽譜の分析だけでなく、曲全体の作り方や表現の仕組みまで理解できるのが、“音符以外のリファレンス”の醍醐味です。
普段から音楽に触れるときに、「この曲は何を伝えたいんだろう?」と考えるクセを持つだけでも、あなたの作曲力は確実に伸びていきます。
まとめ
リファレンス曲の活かし方をまとめると・・・
- 作曲: テンポとコード進行を丸ごと借りて新しいメロディを載せる
- 編曲: 楽器構成と展開を真似してアレンジの型を学ぶ
- ミックス: 音量・定位・空間の違いを比較して調整する
この3ステップを意識するだけで、あなたの曲作りのスピードもクオリティも段違いにアップします。

