宅録DTMのノイズ対策まとめ|初心者でもできる原因別の消し方・防ぎ方


この記事では、「DTM初心者でも簡単にできる4つのノイズ対策」を紹介します。

音源制作において、“理想の音”を邪魔する最大の敵・・・

それが「ノイズ」です。

クライアントワークやコンペ、ストック音源販売など、お金が関わる制作では、ノイズが入っているだけで即アウトになることも珍しくありません。

たとえば・・・

  • 提出した音源に「プツッ」としたノイズが入っている
  • レコーディング素材に「サーッ」というノイズが混じっている
  • 編集時のフェード忘れで「ブツッ」と音が切れている

たったこれだけで、評価は一気に下がり、審査にも通らなくなります。

つまり「ノイズ管理」は、プロとしての最低限のマナーなんです。

料理で例えるなら、「ゴミが混ざっている料理」と同じです。

もし外食でゴミ入りの料理が出てきたら、誰でも嫌な気分になりますよね。

音楽もそれと同じで、ノイズのような“異物感”があるだけで、聴く人の印象は一瞬で悪くなってしまいます。




① デジタル系ノイズ(クリッピング・プツプツ音)

 パソコン上で作業しているときに発生する「デジタル系ノイズ」

代表的なのが「クリッピングノイズ」です。

これは、音量メーターが0dBを超えたときに発生する「バリッ」「プツッ」というノイズのこと。

波形が天井を突き抜けると、データが壊れて音が割れてしまうんですね。

 対策

  • トラックのボリュームは余裕を持って設定する
  • マスターでは**-0.5〜-2dB**ほど下げておく
  • コンプレッサーやリミッターで突発的な音を抑える

「音量が大きければ良い」は間違いです。
余裕のあるミックスこそ、クリアで聴きやすい音を作ります。

② 編集ミス系ノイズ(フェード忘れ)

 編集時に発生しやすい「ブッツ切りノイズ」。
正式名称がないので、ここでは“ブッツ切りノイズ”と呼びます。

これは、「波形の途中でカットしてしまったときに発生するノイズ」のこと。

音が鳴っている最中にカットしてしまうと、「プツッ」と不自然な音が出てしまいます。

 対策

  • オーディオを切るときはフェードイン/アウトを必ず入れる
  • 波形がゼロライン(無音)に近い位置でカットする
  • オーディオ素材は特に丁寧に扱う

EDMやギター録音など、オーディオ素材を多用する人ほど注意が必要です。

特にループ素材やワンショットを使う場合、細部のノイズチェックを怠らないようにしましょう。

③ アナログ系ノイズ(アンプ・電磁誘導)

 楽器を録音するときに出やすい「アナログ系ノイズ」

エレキギターやベースなど、電気を使う楽器では避けにくいノイズです。

代表的なのは以下の2つ。

アンプノイズ
アンプにつなぐと、何も鳴らしていないのに「ジーッ」「サーッ」と鳴るあれです。
特に歪ませ系サウンドでは目立ちやすく、宅録勢を悩ませる原因の一つ。

●電磁誘導ノイズ
スマホやパソコン、Wi-Fiルーターなどの電磁波が原因で「ピピッ」「ガーッ」と鳴ることもあります。
アンプの上にスマホを置くと鳴るアレ、まさにそれです。

 対策

  • ケーブル類を整理し、電源線と音声線を離す
  • スマホや電子機器をアンプから遠ざける
  • ギターの向きや立ち位置を変えてみる
  • 録音後はノイズゲートで不要部分をカット

高品質なケーブルやオーディオインターフェイスを使うと、ノイズの入り方もかなり改善されます。

④ プラグイン由来のノイズ(おまけ)

 一部のプラグインが意図的にノイズを加えることがあります

特にアナログ系やビンテージ系のコンプ、テープシミュレーターなどに多いです。

たとえば、iZotopeのVinylは何も再生していなくても、ほんのりノイズがのります。

 対策

  • 設定をOFFにする
  • 気になる場合はボリュームオートメーションでミュート

こうしたノイズは“味”として使うこともありますが、過度に重ねると耳障りになるので注意しましょう。

ちなみにiZotopeのVinylはアナログ・レコードのような音質を再現するプラグインです。
Lo-Fi系に最適です。しかも、無料で使用できます。

iZotope Vinylはこちら

補足~ノイズは“味”にも“毒”にもなる

 もちろん、ノイズを意図的に使う楽曲もあります。

たとえば、カセットテープやレコードのようなレトロなノイズ。

ノイズをサンプルした音源など。

しかし、不要なノイズは別物。聞き手を不快にさせたり、「機材が壊れてるのか?」と勘違いさせる原因にもなります。

少し辛口に言えば、不要なノイズは“ただのゴミ”です。

外食で出てきた料理にゴミが混じっていたら、誰だって嫌ですよね?

それと同じで、音楽でも“異物感”は一瞬で印象を悪くします。

不要なノイズには神経を使いましょう。

まとめ

 今回紹介した「宅録DTMのノイズ対策」をおさらいしましょう
 ノイズの主な種類と対策ポイント

① デジタル系ノイズ(クリッピング・プツプツ音)
→ 音量を上げすぎない。メーターは常にチェック!
→ マスター音量は -0.5〜-2dB 程度に余裕をもたせる。
→ コンプレッサーやリミッターで突発的な音を防ぐ。

② 編集ミス系ノイズ(ブツ切り・フェード忘れ)
→ オーディオを切るときは 必ずフェードイン/アウト を入れる。
→ 波形のゼロライン(無音部分)でカットする。
→ ループやワンショット素材は特に丁寧に扱う。

③ アナログ系ノイズ(アンプ・電磁誘導)
→ ケーブルや電源線を整理し、ノイズの干渉を防ぐ。
→ スマホや電子機器をアンプから離す。
→ ノイズゲートやEQで不要な部分をカット。

④ プラグイン由来ノイズ(おまけ)
→ アナログモードやビンテージ設定を OFF にする。
→ 気になる場合はボリュームオートメーションでミュート。

ノイズはリスナーにとって、とても不快なものです。

「プツッ」「ジーッ」という音が混じっているだけで、どれだけ良い曲でも台無しになります。

特に、クライアントワークや商用販売では致命的。

ノイズが入っているというだけで「丁寧に作っていない」と判断され、評価が一気に下がる原因になります。

音楽でお金をもらう以上、ノイズ除去は義務です。

大切な音源ほど、細部までしっかりチェックして仕上げましょう。

もちろん、テープノイズやレコードノイズのように「味」として使うケースもあります。

大切なのは、“意図して入れる”か、“うっかり入る”かです。

意図のないノイズは、徹底的に対策しましょう!!

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