
ミックスをしていて・・・
- 「音が全部、前に出すぎてのっぺりする…」
- 「プロの曲みたいに“奥行き”が出せない」
そんな悩み、ありませんか?
EQやリバーブを試してみても、思うように立体感が出ない。
実はそれ、“奥行きの作り方”の本質をまだ掴めていないだけなんです。
この記事では、DTM初心者〜中級者の方がつまずきやすい「ミックスで奥行きを出す方法」をわかりやすく解説します。
リバーブに頼らず、フェーダーとコンプレッサーだけで自然な前後感を作るコツを紹介します。
読み終えるころには「音の距離感を自在にコントロールする感覚」がつかめるはずです。
「奥行き=リバーブ」だと思っていませんか?
もちろん間違いではありません。リバーブでも“それっぽく”できます。
ですが、本格的に上達したい人は、「リバーブ頼りの奥行き」から卒業 しましょう。
それは“手軽な第一歩”としては正解だからです。
でも、リバーブで作る奥行きは「擬似的な奥行き」にすぎません。
プロが使うより自然で立体的な奥行き表現には、別のアプローチがあります。
方法①:フェーダー(音量)で奥行きを作る
つまり、音量の上下だけで“前後感”を生み出せるんです。
試しに、ボーカルの音量だけを上げた場合と下げた場合を聴き比べてみてください。
何もエフェクトをかけていなくても、音量が小さい方は後ろに下がり、大きい方は前に出てきます。
奥行きとは、まさにこの“聴こえる距離感”なんです。
よくある失敗
多くの人は、自分の曲のすべての楽器を大事にしすぎて、「全部聴かせたい!」と思ってしまいます。
でもそれは、料理で例えるとおかずが6品並んでいるようなもの。
ありがたいけど、どれがメインかわからない状態です。
だからこそ、「主役は誰か?」を明確にし、他を下げる勇気を持つ ことが大切です。
ポイント
- 主役(ボーカルなど)はフェーダーを上げる
- 脇役(伴奏・バッキング)は思い切って下げる
これだけで一気に奥行きが生まれ、主役が前に浮かび上がります。
フェーダー操作の強み
もうひとつ大事なポイントがあります。
フェーダーによる音量操作は、音質を劣化させません。
エフェクター(コンプやEQなど)を使うと音質が少し細くなったりしますが、フェーダーは「音を変えずに距離感だけ調整」できるんです。
ただし注意点もあります。
もし「音量を上げたら変な音になった」という場合は、フェーダーの後にコンプなどを挿している可能性があります。
フェーダーの位置を確認してみてください。
方法②:コンプレッサーで“奥行きのブレ”を整える
コンプレッサーは「音量を均一に保つ」ためのエフェクトです。
つまり、音量のブレを抑えることで奥行きの位置も安定させることができます。
たとえば、ボーカルのAメロでは小さく、サビで急に前に出てくる……
そんなときはコンプで整えてあげましょう。
音量が一定になると、自然と“距離感”も一定になります。
上級者テク:アタックタイムで前後感をコントロール
- アタックタイムを速く → 立ち上がりを潰す → 音が後ろに下がる
- アタックタイムを遅く → 立ち上がりを残す → 音が前に出る
主役となるボーカルやスネア、キックなどはアタックを遅くして前へ。
ベースやバッキングなど、支えるパートはアタックを速めて後ろへ。
このテクニックをマスターすると、ミックスの立体感が一気に“プロっぽく”なります。
まとめ
奥行きづくりの核心は、「リバーブ」ではなく フェーダーとコンプのコントロール にあります。
- フェーダーで前後の距離を決める
- コンプレッサーで位置を安定させる
- アタックタイムで細かく調整する
この3つを意識するだけで、あなたのミックスは一気に立体的になります。

