
今回のテーマは「楽器が弾けることの大切さ」です。
最近は、パソコン1台やスマホだけで音楽が作れる時代になりました。
「楽器なんて弾けなくても曲は作れるでしょ?」
そう思っている人、多いんじゃないでしょうか。
たしかに、DTMやボカロ制作では、演奏ができなくても曲は作れます。
でも実は、「楽器を弾けるかどうか」で曲の完成度や表現の幅が大きく変わるんです。
この記事では、「なぜ楽器を弾けるようになると作曲がうまくいくのか?」を3つの理由で解説します。
- 作曲スピードが上がらない
- コード進行がワンパターンになる
- 打ち込みが“機械っぽく”なってしまう
そんな悩みを感じているDTMerやボカロPの方にこそ、ぜひ読んでほしい内容です。
読み終えるころには、きっと「ちょっと楽器、触ってみようかな」と思えるはずです。
① 楽器が弾けると曲作りが圧倒的に早くなる
曲を聴いてると「この人はスッと作れたんだろうな」とか「この曲は相当こだわったな…」って、なんとなく分かることがあるんです。
制作スピードって、結果に反映されやすいです。
ここで言うスピードとは、“速弾き”や“超絶アドリブ”ができるテクニックのことではありません。
思いついたフレーズをすぐ形にできる力のことです。
楽器をある程度扱える人は、この「スピード感」が自然と曲の勢いやノリにつながっていきます。
DTMでも、打ち込みだけで音を探すより、実際に楽器を弾きながら作るほうが圧倒的に早く、感情も乗りやすいです。
② 楽器の特性を知ると引き出しが増える
たとえばギター。弦は6本しかないので、ひとりの人間が同時に鳴らせる音は6音までです。
つまり、ギターには「制限」がある。
でも、実はこの制限こそがギターの個性であり、味なんです。
ピアノなら広い音域を飛び回るようなフレーズも、ギターでは物理的に弾けなかったりします。
けれど、その「できない」があるからこそ、ギターならではのフレーズやアレンジが生まれる。
実際に楽器を弾いてみると、この「楽器ごとの特性」ってめちゃくちゃ面白いんですよ。
自分が弾ける楽器をひとつでも持っていると、他の楽器を見たときに・・・
「この音の出方、独特だな」とか「この楽器ならこういう表現ができるんだ」と感じられるようになります。
つまり、楽器を通して他の楽器への理解やアプローチも広がるということ。
そして、この「特性の理解」は作曲やアレンジの場面で大きな武器になります。
特にエレキギターは、他の楽器と比べても奏法の種類が多いんです。
- ブラッシング:弦を軽くミュートしてリズム感を出す(テケテケ系にも使える)
- ブリッジミュート:低音を抑えて“ズンズン”した音を出す
- タッピング:指で弦を叩いて音を出す奏法
- アームプレイ:ギュイーン、ギュワーンとピッチを上下させる
- グリス:弦を滑らせて上昇・下降する「ズーン」な表現
- ジャックオフ・ビブラート:激しくピッチを上下させる奏法
- ワウペダル:EQをペダルで操作して“ワカチャコ”と鳴らす
ちなみにエレキギターの奏法はまだ他にもあります。打ち込みでは難しい表現がたくさんあり奥が深いです。
③ 人と演奏すると音楽の世界が一気に広がる
これが一番大きなメリットです。
何か一つでも楽器が弾けるようになると、リハーサルやセッション、ライブなどに参加できるようになります。
つまり、「音でコミュニケーションを取る」ことができるんです。
他のミュージシャンと一緒に演奏していると「この人、こう叩くときこんな癖あるんだ」とか「ここでこうノるのか!」といった発見が山ほどあります。
そうした刺激が、いつの間にか自分の音楽に染み込んでいく。
それが曲作りのインスピレーションになることも多いです。
実際、筆者もセッションの最中に新しい曲やフレーズを思いつくことがよくあります。
逆に、一人で作曲していてスランプに陥ったときも、他の人と演奏することで抜け出せた経験があります。
DTMで作曲している人の多くは、どうしても一人で完結しがちです。
だからこそ、「人と一緒に音を出す」という行動パターンの変化が創作の幅を広げてくれるんです。
もちろん、人の演奏を聴くだけでも勉強にはなります。
でも、自分が“その輪の中”に入ると、吸収できるものの濃度がまるで違う。
そして何より・・・
「人と合わせるのって、めちゃくちゃ楽しい。」
その楽しさや刺激こそが、次の曲を作るモチベーションになるんです。
まとめ
今はPCとネットさえあれば、誰でも音楽を作って公開できる時代です。
でも、やっぱりどこかで「生の音」と向き合うことが、音楽の根っこなんじゃないかと思います。
「スピード、理解、交流」この3つの面で「楽器を弾ける人」は圧倒的に有利です。
なので、もしまだ何も楽器を触ったことがないなら、ぜひ今日から1つ、始めてみてください。
ギターでもピアノでも、なんでもOK。
最初の1音が、きっとあなたの音楽を変えます。

