
この記事では、「感覚だけに頼らない作曲の考え方」をお伝えします。
「これが自分の味だから」と言いながら、似たような曲ばかりになっていませんか?
作曲には、右脳的な“ひらめき”と左脳的な“戦略”の両方が欠かせません。
この記事を読むことで、
- 感覚と理論をどうバランスさせれば曲がまとまるのか
- 「行き詰まる理由」と「ひらめきを呼び戻すコツ」
- “曲の組み立て方(4工程)”
読後には、「ただ感覚で作っていた自分」から一歩抜け出し、再現性のある作曲力”を身につけるヒントが得られるはずです。
作曲はパズル
1から順番に積み上げていくのではなく、ジグソーパズルのように、特徴的なピースを作っては組み合わせていく作業です。
まずはメロディやモチーフのピースをどんどん作ります。
プロでも「全部ボツ」という日があります。
でも、それでいいんです。ホームランを打つためには、まず打席に立つことが必要です。
2. 選ぶ(良いピースを見極める)
「いい」「好き」と感じる感覚(右脳)が重要。
理屈で選んでも、心を動かす音楽にはなりません。
3. つなげる(構成を考える)
Bメロからサビへの流れを作ったり、テンションを調整したり──
ここでは左脳の出番。戦略的に構成を考えます。
4. 整える(全体のバランスを取る)
最後に全体を見直し、歌詞とのバランスを調整します。
この段階では仮説を立てて(左脳)、最終的な判断は感覚(右脳)で行います。
「ひらめき」は机の上にない
脳には「デフォルトモード・ネットワーク(DMN)」という、想像力やアイデアを生み出す領域があります。
DMNは“ぼんやりしている時”に活性化します。
例えば──
- 散歩しているとき
- シャワーを浴びているとき
- 運転しているとき
- 料理や掃除をしているとき
筆者の場合、一番ひらめくのは「散歩」か「映画、漫画を見たとき」。
もし行き詰まったら、無理に机に向かわずリフレッシュしましょう。
脳を休ませることで、次のメロディが“降ってくる”確率が上がります。
右脳と左脳のバランスが作曲のカギ
| 脳の使い方 | 右脳(感覚・ひらめき) | 左脳(理論・構成) |
|---|---|---|
| 主な役割 | 感情やイメージを音に変える。メロディ・雰囲気・インスピレーションを司る。 | 理論や構造を整理する。コード進行・リズム・アレンジの整合性を管理。 |
| 得意な工程 | アイデアを「産む」「選ぶ」 | アイデアを「つなげる」「整える」 |
| 使いすぎると… | 感情的すぎてまとまりがなくなる。曲が“その場のノリ”で終わる。 | 理屈っぽくなりすぎて味気ない。感情の動きが感じられない。 |
| 理想のバランス | 右脳で“生み出し”、左脳で“形にする” ──この行き来が、魅力的なメロディを生むカギ。 |
|
感覚に頼りすぎるとマンネリ化し、理論に寄りすぎると面白みに欠けます。
この“バランス感覚”こそが、作曲力を飛躍的に高める要素です。
脳で考えてはいけないこと
作曲のとき、脳のリソースを“無駄に消費する作業”は避けましょう。
特に楽器初心者がやりがちなミスが、「コード進行を弾くのに精一杯になる」こと。
演奏そのものに集中してしまうと、作曲の脳が使えなくなります。
対策は以下の2つ
→弾く手間をなくしてアイデア出しに集中できる。
2.簡単な演奏スキルを身につける
→身体で覚えると、脳の負担が減ります。
まとめ
作曲は「感覚」だけで成立するものではありません。
「右脳のひらめきと、左脳の戦略」
その両方をバランスよく使うことで、安定して質の高いメロディを生み出せるようになります。
作曲の基本は、次の4つの工程に集約されます。
- 産む(アイデアを出す):メロディやモチーフの“ピース”を生み出す
- 選ぶ(良いものを見極める):感覚で「これだ」と思えるものを選択する
- つなげる(構成を作る):流れや展開を戦略的に組み立てる
- 整える(全体を仕上げる):バランスを見て微調整し、完成へ導く
この4つを意識するだけで、曲作りの精度と完成度は大きく変わります。
また、行き詰まった時こそ無理に考えず、脳をリセットする時間を取りましょう。
散歩・シャワー・運転など、リラックス中にこそ「ひらめき」は訪れます。
作曲は才能よりも“脳の設計”で上達します。
感覚と理論のバランスを整え、あなたの中の音楽をもっと自由に引き出していきましょう。

