
DTMを始めたばかりの頃、こんな悩みはありませんか?
- 機材やソフトが高すぎて、全部そろえられない
- 音楽理論を勉強しようとしても、難しくて挫折しそう
- 曲を作ってもフルで完成できない
でも実は、DTMは“全部やらなくても”しっかり楽しめる趣味なんです。
この記事では、「DTM初心者がやりがちな間違い3選を解説」します。
読むことで・・・
- 「あ、これやらなくていいんだ」
- 「自分のペースでいいんだ」
と、肩の力が抜けて、音楽をもっと気軽に楽しめるようになります。
「DTMを続けたいけど、もう疲れた…」というあなたへ。
この記事が、もう一度“音楽って楽しいな”と思えるきっかけになれば嬉しいです。
① 高い機材を買い揃えなくてもいい
YouTubeやブログを見ていると、みんな高い機材をどんどん買っているように見えませんか?
とくにYouTubeでは、プラグインのレビュー動画がたくさんありますよね。
それを見て「DTMって、プラグインを次々と買うのが当たり前なんだ」と思ってしまう人も多いと思います。
でも正直なところ・・・
「レビュー動画が多いのは、アフィリエイト報酬が目的の場合が多いからです。」
だから実際よりも「買うのが普通」という空気が広がってしまっているんです。
一方で、「買っていない人」はあまり発信しません。
そのため、ネット上では“課金している人の声”ばかりが目立ちます。
結果として、「みんな機材を買っているように見える」だけなんです。
実際のところ、DTMを始めるなら最低限で十分です。
DAW(作曲ソフト)、オーディオインターフェース、ヘッドホン、モニタースピーカー。
この4つさえあれば、曲作りはできます。
「コンプレッサーを10種類そろえました!」なんていうのは、ごく一部のマニアだけです(笑)。
たとえば筆者も、Cubaseを使っていますが「Pro」があれば十分。
コードアシスタントツールの「Scaler 3」が発売されたときも話題になりましたが、筆者は買っていません。
なぜなら、Cubase自体にコードアシスタント機能があるからです。
正確に言えば「Scaler 2」を持っていますが、使ってみて必要性を感じなかったので3にアップデートしていないだけです。
「つまり、曲を作るためにプラグインを次々と買う必要はまったくないということです。」
補足 YOASOBI・Ayaseさんの制作環境
有名な例をひとつ紹介します。
こちらはYOASOBIのAyaseさんが2019年9月に投稿したX(旧Twitter)のポストです↓
最近DM等で作曲機材は何を使ってますか
的なご質問を多く頂くのでPC↓
・MacBook pro (2010)
ヘッドフォン↓
・audio-technica(ATH-M40x)
DAWソフト↓
・logic pro xだけです。
ご飯食べるテーブルに
PC置いて作ってます。
最低限すぎる質素な環境だけど
やる気さえありゃ
なんとでもなるかな、と pic.twitter.com/LiZCVQyyWK— Ayase (@Ayase_0404) September 2, 2019
このポストは、YOASOBI結成直前(2019年9月)のもの。
翌月にユニットを結成し、11月にはデビュー曲「夜に駆ける」を発表しています。
当時の環境は、決して豪華なものではありませんでした。
使っているパソコンは9年落ちで最新のMacBook proではありません。
ボカロP時代の楽曲の音質はお世辞にもハイレベルとは言えませんが、曲そのものの完成度が圧倒的に高かったです。
つまり・・・
「機材がすごいから良い曲ができるのではなく、良い曲は、最低限の機材でも作れる」
ということを、彼は実際に証明しています。
② 音楽理論を全部理解しようとしなくていい
音楽の勉強って、やろうと思えば本当に無限にあります。
コード、スケール、テンション、アレンジ、歌詞、録音、ミックス……。
でも正直、人の一生で音楽のすべてを学びきるのは不可能だと思っています。
なぜなら、音楽には数えきれないほどのジャンルや楽器があり、流行も常に変化し、DTMの技術もどんどん進化しているからです。
それくらい、音楽の世界は広くて深いんです。
音楽理論は「結果論」であることも多い
音楽理論というのは、「最初にルールがあって、その通りに作る」ものではありません。
むしろ、“感覚で作った結果をあとから理論で説明できる”というケースがほとんどです。
たとえば・・・
「感覚でコードを並べたらいい感じになった → 理論的にも面白い進行だった」
というようなことはよくあります。
だからこそ、音楽理論を全部理解しようとしなくても大丈夫。
自分が興味を持ったところだけかじって、少しずつ理解を広げていけば十分です。
理論を知らなくても名曲は作れる
たとえばボカロPの柊マグネタイトさん。
インタビュー動画を見てもわかる通り、彼はほとんど音楽理論を意識していませんでした。
それでも、多くの人の心を動かす名曲を次々と生み出しています。
インタビュー動画を見ると感覚派だということがわかります↓
このように、理論を知らなくても良い音楽は作れるということ。
音楽は理論で成立するものではなく、感性と積み重ねで磨かれるものなんです。
「手が止まるくらいなら学ばない方がいい」
もちろん、理論を学ぶこと自体は素晴らしいことです。
でも、「わからないから自分は向いてない」と思う必要はまったくありません。
むしろ、学ぼうとしすぎて手が止まってしまう人が一番もったいない。
作曲の手が止まるくらいなら、理論の勉強はいったん置いておいたほうがいいです。
まずは「どうやったら一歩進めるか」に集中しましょう。
曲を作り続けるうちに、自然と理論の意味がわかるようになっていきます。
③ フルコーラスを作らなくてもいい
アニメのオープニングって、だいたい1コーラスですよね。
それを聴いて「フルじゃないから評価できない」なんて思う人はいません。
つまり、1コーラスでも曲として十分に成立しているということです。
ワンコーラスだけでも、人に聴かせて反応をもらえたらそれでOK。
むしろ今は、1コーラスで公開するほうがリスナーファーストかもしれません。
なぜなら今、世の中には音楽が溢れすぎているから。
名も知らぬ個人の曲をフルで聴く時間なんて、リスナーにはもうありません。
ショート動画やTikTokの流行で、短くて濃い1分の音楽に需要が集まっています。
だから「フルを作れない=向いていない」なんて思う必要はありません。
まずは1コーラスだけでも、あなたの世界観を詰め込んで発信してみましょう。
そのとき大事なのは、「自分はどんな曲が作れるのかアピールする力」や「何を伝えたいのか」を明確にすることです。
まとめ
DTMをやっていると、「あれもやらなきゃ」「これも覚えなきゃ」と焦る瞬間が何度もあります。
でも、この記事で紹介したように・・・
- 高い機材を全部そろえなくてもいい
- 理論を全部理解しなくてもいい
- フルコーラスを作らなくてもいい
DTMは、できることから始めてOKな世界です。
大切なのは、「完璧を目指すこと」ではなく、音楽を続けられること。
一曲でも、ワンフレーズでも、「自分の音を出してみる」ことが一番の成長につながります。
だから、もし今「DTMがしんどい」と感じているなら、少し肩の力を抜いて、「やらなくてもいいこと」を減らしてみてください。
やることを減らすと、不思議と音楽がもっと楽しくなります。
あなたが“もう一度、純粋に音を楽しむきっかけ”になれば嬉しいです。

