DTMで曲を作っていると・・・
「なんかプロっぽくならない」「ミックスが濁る」「歌が聞こえづらい」
そんな悩み、ありませんか？
実はこれ、ほとんどの初心者が同じポイントでつまずいているんです。
DTM初心者作曲家が作る「どの曲」にも“共通してよくあるミス”があります。
この記事では、DTM初心者がやりがちなミス5選を解説します。
「自分の曲がなぜイマイチ仕上がらないのか」を明確にし、たった5つの改善で劇的にクオリティを上げるヒントが得られます。
「もっと聴かれる曲を作りたい」「プロっぽい仕上がりに近づきたい」という方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
① 楽器同士の帯域がぶつかっている
ミックスの定番トラブル 初心者ミックスで最も多いのが、帯域の衝突です。
つまり、いろんな楽器の音が同じ周波数帯域に集中してしまい、音が濁ってしまう状態ですね。
特に気をつけてほしいのが200Hz以下の低域
ベースとキック、ベースとピアノ、シンセとボーカルなどが低域でかぶっている曲は非常に多いです。
こうなると「低音は出てるのに迫力がない」「全体がボワっとして輪郭がぼやける」という印象になります。
対策ポイント
- 帯域の“住み分け”を意識する。例：200Hz以下は「ベースとキックのゾーン」と決める
- 不要な低域をEQでカット
- キックとベースはサイドチェインで整理
- 中域はパンニングで空間を広げる
ミックスは“音の整理整頓”です。
音を足すより、減らす工夫こそがクリアなサウンドを作る第一歩です。
補足：サイドチェーンを活用しよう
Cubaseには、サイドチェーン機能があります これは、あるトラック（例：キック）の信号を使って、別のトラック（例：ベース）の音量を自動でコントロールできる機能です。
サイドチェーンの活用例
たとえば、ベースをキックに反応するようにコンプレッサーを設定します。
すると、キックとベースが同時に鳴ったときだけ、ベースの音量が少し下がるようにできます。
これにより・・・
- キックとベースが同時に鳴っても低域がぶつからない
- 逆に、キックが鳴っていない部分ではベースの低域をしっかり出せる
つまり、ベースとキックをセットで動かすイメージです。
「低域を出したいけど濁る」「カットしすぎるとスカスカになる」
そんな時にサイドチェーンが効果的なんです。
・筆者の設定例
ベースとキックは常にセットで考えています。
テンプレートを立ち上げた時点で、サイドチェーンの設定がすでに完了している状態です。
低域の整理はミックスの基礎ですが、サイドチェーンを使うだけで一気に音のまとまりが出るので、ぜひ試してみてください。
② マスタリングで音圧が低すぎるor高すぎる
マスタリング段階での音圧ミス 「音が小さすぎる」「逆に大きすぎて割れている」
これ、めちゃくちゃ多いです。
初心者さんにとって、リミッターやマキシマイザーの扱いは難関なんですよね。
対策ポイント
- 音圧レベルは-14〜-9 LUFS程度を目安にする
- 出力が0dBを超えないようにリミッターを設定
- 実際に耳で聞いて「潰れていないか」チェックする
ただし、この“耳での判断”が最初は一番難しい…。
なので、初心者さんにはOzone 12を強くおすすめします。
Ozone 12はAIが自動でマスタリングしているプラグインです。
AIアシスタントが自動で音圧を整えてくれるので、難しい設定は不要です。
値段は高いですが、時短ツール・優秀なエンジニアを無制限で使えると思ったら安い買い物です。
最後に大事なことを一つ。
「音圧が高い＝クオリティが高い」ではありません。
聞きやすく、心地よいバランスの中で音圧を上げる意識を持ちましょう。
余談：音圧にも“流行”がある
実は、音圧にも時代ごとの流行があります 昔は「音圧は高ければ高いほどいい」と言われていました。
しかし最近では、YouTubeなどの配信プラットフォームで音量が自動的に制御されるため、無理に音圧を上げる必要はないという考え方も広がっています。
つまり、「音圧は高いほうが良い派」と「自然なダイナミクス重視派」で意見が分かれるわけです。
もちろん、極端に音が小さすぎたり、大きすぎて割れてしまうのは論外ですが・・・
「正直、どこが正解かは一概には言えません。」
もし“今っぽい適切な音圧”を知りたい場合は、ヒットチャートの楽曲を分析してみるのがおすすめです。
耳で聴きながら「これくらいの音圧感が主流なんだな」と体感しておくと、自分の作品づくりにも役立ちますよ。
③ アレンジに変化がない
これは本当に多いです AメロもBメロもサビも同じようなリズム・演奏パターン…。
聴いていて単調になってしまうパターンですね。
初心者さんが自動演奏系のプラグイン（UjamシリーズやSession系など）を多用するのも一因。
便利ですが、何も工夫しないと1パターンのまま最後まで進行してしまいます。
対策ポイント
- セクションごとに演奏パターンを変える
- フィルやブレイクを手打ちで追加
- セクションごとに楽器を増減させる
- ドラムリズムを少し変化させる
- 曲の進行に合わせて新しい楽器を登場させる
小さな変化の積み重ねが“展開感”を生みます。
自動演奏任せにせず、少しの手間でぐっと完成度が上がりますよ。
具体的に言うと・・・
たとえば・・・
- 1回目のAメロはボーカルとリズムだけ、2回目のAメロではボーカル＋伴奏＋リズム（少し派手め）にしてみる。
- サビが2回繰り返される場合は、2回目のサビ終わり4小節のメロディを少し変えるだけでも印象がグッと引き締まります。
このように、「繰り返し」を上手く使えば曲の印象を強く残すことができる一方で、変化が少なすぎると、単調で飽きられやすい曲になってしまうので注意が必要です。
④ 不協和音（コードとメロディが合っていない）
これも非常に多いミスです コードとメロディ、あるいはコードとベースがズレていて“なんか気持ち悪い”と感じるパターン。
多くの場合、スケール外の音ではなく、アボイドノート（避けるべき音）が原因です。
スケール内にあっても、特定のコード上では濁って聞こえる音のことですね。
例：「Cメジャーの曲で、コードがCの時にメロディでFを鳴らす」
これはアボイドノートになり、響きが濁ります。
特にハモりパートを作るときに起こりがちです。
3度上・3度下で作っても、コードによってはアボイドになることがあります。
対策
- スケール内だからOK、ではなくコードとの関係で判断
- 「気持ちよく響くか」を耳で確かめる
- アボイドノートを理論的に学んでおく
耳を育てることが最終的には一番大事ですが、理論を理解しておくと、早い段階で“不協和”を防げます。
⑤ 歌詞が聞き取れない！
これはダントツです 作っている本人は歌詞を知っているので、頭の中で補完してしまう。
でも、初めて聴くリスナーには何を言ってるかわからない。
これが“歌詞が伝わらない曲”の正体です。
主な原因
- ボーカルの音量が小さい
- コンプレッサーが不十分で声の粒が揃っていない
- 声の抜けが悪く、オケに埋もれている
対策ポイント
- コンプレッサーで声の粒を整える
- EQで2〜5kHzあたりを少し持ち上げる
- 必要に応じてバイタミンなどの倍音系プラグインを使う
- レコーディング時は「サ行・タ行」をはっきり発音
そして、一度他の人に聴かせてチェックするのもおすすめです。
どんなに良い曲でも、歌詞が聞こえないと感動が伝わりません。
ボーカルは曲の主役。
ここを意識するだけで、完成度が大きく変わります。
まとめ
この5つを意識するだけでクオリティが劇的に変わる！ 初心者さんの曲でよくある指摘トップ5を振り返ると・・・
- 帯域のぶつかり
- 出力音圧の設定ミス
- アレンジの単調さ
- 不協和音
- 歌詞が聞き取れない
この5つを意識するだけで、曲の完成度は確実に上がります。
ぜひ自分の曲を聴き返してチェックしてみてくださいね。
