
DTMを始めたばかりの頃、「音がこもる」「プロっぽくならない」「何をいじればいいのかわからない」と感じたことはありませんか?
実はそれ、エフェクターを正しく使えていないだけ かもしれません。
エフェクターとは、録音した音を「聴きやすく」「かっこよく」「立体的」に仕上げるための道具。
でも種類が多すぎて、最初は「何を覚えたらいいの?」と迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、「DTM初心者が最初に知っておきたい5つの基本エフェクター」を、わかりやすく紹介します。
読むだけで・・・
- ミックスで何をすればいいのかがわかる
- より聴きやすく、完成度の高い音に近づける
- 今後の学習の方向性が見える
DTMを始めたばかりでも大丈夫。
この記事を読み終える頃には、「基本的なエフェクターってこれなんだ!!」とスッキリ理解できるはずです。
参考音源として初音ミクで「カエルの合唱」を打ち込み、Before/Afterを聴き比べられるようにしました。
1. イコライザー(EQ)

イコライザーは、周波数帯を調整できるツールです。
たとえば人の声や楽器の音には、「低音」「中音」「高音」がありますよ。
イコライザーを使うと・・・
- 低音を少し下げてスッキリさせる
- 高音を少し上げて明るくする
といったように、狙った部分だけを調整できます。
イメージとしては、全体の音量を変える「ボリュームつまみ」を、音の高さごとに細かく分けて動かせるようにした感じです。
これだけで音の印象がガラッと変わるので、「ミックスの基礎中の基礎」と言える存在です。
●未加工
●高域を上げる
●低域を上げる
2. コンプレッサー

コンプレッサーは、音の大きさの差を整えて、聴きやすくしてくれるエフェクターです。
たとえば、人の声や楽器の演奏では、小さい部分は聞こえにくく、大きい部分は耳に刺さるように感じることがあります。
この「音量のばらつき」をそのままにしておくと、全体が落ち着かず、聴きにくい印象になります。
コンプレッサーを使うと・・・
- 大きすぎる音を少し抑える
- 小さすぎる音を少し持ち上げる
といった調整を自動でしてくれるので、全体の音量がなめらかに整うようになります。
結果として、ボーカルも楽器も前に出すぎず、引っ込みすぎず、安定した聴きやすいミックスに仕上がります。
また、音を「圧縮」することで、音にハリや厚み が出るのもコンプレッサーの魅力です。
簡単に言えば、コンプレッサーは「音の強弱をほどよく均一にして、聴き心地を整えるツール」です。
●未加工
●Compressorを掛ける
最初のうちは、「こういうエフェクターがあるんだな」と知っておくだけでも十分です。
3. リバーブ

リバーブは、「響き」や「空間」を加えるエフェクターです。
カラオケの「エコー」をイメージするとわかりやすいでしょう。
声を出したあとに「うわ〜ん」と響く、あの感じですね。
リバーブをかけると・・・
- ボーカルが広がってライブ会場のように聴こえる
- ドラムやピアノが自然に馴染む
といった効果があります。
使いすぎるとこもりやすくなりますが、上手く使うと一気にプロっぽくなります。
●未加工
●リバーブを掛ける
4. サチュレーション

サチュレーションは、ほんの少し“歪み”を加えて音を温かくする エフェクターです。
「歪み」と聞くと悪いイメージがあるかもしれませんが、ギターのように少し歪んだ音は“かっこよさ”や“厚み”を出してくれます。
サチュレーションは、その“良い歪み”だけを上手に足してくれる便利なツール。
使うことで音がほんのりアナログっぽく、あたたかく自然な響き になります。
簡単に言えば「デジタルっぽい冷たい音」を「人間味のある音」に変えるエフェクターです。
●未加工
●浅く掛ける
●深く掛ける
ただ、それだと変化が分かりにくいので、比較しやすいように深めにかけたバージョンも用意しました。
5. マキシマイザー

マキシマイザーは、全体の音量を最大限まで上げるエフェクターです。
DTMで作った曲を聴いて「なんか音が小さいな…」と思ったことはありませんか?
それは、マキシマイザーを使っていないからです。
マキシマイザーを使うと、曲の全体音量をバランスよく上げて、プロの音源のように迫力のある仕上がり にできます。
マスタリング(最終仕上げ)でもよく使われる重要なエフェクターなので、「曲が小さい」と感じたら、まず試してみましょう。
●未加工
●マキシマイザーを掛けた音源
エフェクターの設定のコツ
今回紹介したエフェクターは、どれも細かく設定を調整できます。
もちろん、自分で1つひとつのパラメータを理解して設定することも大切です。
ただ、DTMはやることが本当に多いので、「最初から全てを勉強して使いこなすのは大変」ですよね。
そこでおすすめなのが、「プリセット」を活用することです。
筆者が使っているDAW「Cubase」をはじめ、多くのソフトには、メーカーがあらかじめ用途に合わせて設定したプリセット(初期設定)が用意されています。
初心者のうちは、いきなり細かい設定をいじるのではなく、まずプリセットを選んで使ってみましょう。
そこから、「もう少し明るくしたい」「響きを弱めたい」など、自分の好みに合わせて微調整していくのが上達の近道です。
「いきなり全部を理解しようとしないこと。」
プリセットから始めるのが、「沼にハマらず最速で上達するコツ」です。
まとめ
今回紹介したエフェクターをもう一度おさらいします。
- イコライザー(EQ)
- コンプレッサー
- リバーブ
- サチュレーション
- マキシマイザー
どれもミックスの基本中の基本です。
最初は使い方が難しく感じるかもしれませんが、「名前と役割だけ」でも覚えておくだけで、学びのスピードが大きく変わります。

