
DTMで曲を作っていると、
「コードはできたけど、リズムが決まらない」
「4つ打ちは知っているけど、実際にどうやって作るの?」
と悩むことがあります。
そんなときに便利なのが、今回紹介する「4つ打ち」です。
4つ打ちは、EDMやダンスミュージックだけでなく、J-POP、アイドルソング、ロック、パンク、メタル、ボカロなど、さまざまなジャンルで使われています。
この記事では、DTM初心者向けに4つ打ちの基本を解説しながら、実際にDAWで打ち込んでいきます。
今回は、
- サンプル音源を使った4つ打ち
- ドラム音源を使った4つ打ち
この2つの方法を紹介します。
さらに、ベロシティの調整やオープンハイハット、シンバル、フィルなど、4つ打ちをより曲らしくするためのポイントも解説します。
4つ打ちとは?
例えば4/4拍子なら、「ドン・ドン・ドン・ドン」と、1小節の中で4回キックを鳴らします。
非常にシンプルですが、このキックが曲全体のリズムを支える土台になります。
4つ打ちはEDMだけじゃない
しかし、実際にはもっと幅広いジャンルで使われています。
例えば、
- J-POP
- アイドルソング
- ロック
- パンク
- メタル
- ボカロ
- ダンスミュージック
などです。
つまり、「4つ打ち=EDM」というわけではありません。
4つ打ちは、ジャンルを問わず使える非常に汎用性の高いリズムです。
料理に例えるなら、いろいろな料理に使える「万能調味料」のようなもの。
実際に普段聴いている曲を意識して聴いてみると、
「ここ、4つ打ちだったんだ!」
という曲が意外と見つかります。
4つ打ちが作曲に便利な理由
作曲途中の仮リズムとしても非常に便利です。
例えば、
「コードはできたけど、曲の方向性が決まらない」
というとき。
そんな場合は、とりあえず4つ打ちのキックを入れてみましょう。
それだけでも、曲のテンポ感やノリが見えやすくなります。
さらに、そこへベースやコード、メロディを加えていくことで、曲の形が少しずつ見えてくることがあります。
「なんか曲が進まない……」
というときこそ、難しく考えすぎず、まず4つ打ちを置いてみるのがおすすめです。
4つ打ちの参考曲
例えば、
YOASOBI様/夜に駆ける
AKB48様/恋するフォーチューンクッキー
Neru様/ロストワンの号哭
SiM様/KiLLiNG ME
ジャンルや曲調が違っていても、4つ打ちが使われている楽曲があります。
普段聴いている曲も、
「キックがどこで鳴っているか?」
という視点で聴いてみると、新しい発見があります。
4つ打ちの歴史
4つ打ちのルーツをたどると、1970年代のフィラデルフィア・ソウル、いわゆるフィリー・ソウルや、ディスコシーンと深い関係があります。
特に、ディスコを代表するドラマーの一人であるアール・ヤングは、4つ打ちのスタイルを語るうえで重要な存在として知られています。
その後、ディスコやダンスミュージックの広がりとともに、4つ打ちも世界中へ広がっていきました。
そして現在では、ダンスミュージックだけでなく、J-POPやアイドルソング、ロック、ボカロなど、さまざまなジャンルで使われています。
4つ打ちの基本的な作り方
まずはキックだけを配置します。
① キックを1拍ごとに配置する

4つ打ちの基本は、とてもシンプルです。
1小節が4拍なら、キックを、1・2・3・4のタイミングに配置します。
つまり、ドン・ドン・ドン・ドンです。
これだけで、4つ打ちの土台が完成します。
② スネア・クラップを追加する

次にスネアやクラップを追加します。
基本的には、2拍目と4拍目に配置します。
キックだけだった状態にスネアを加えることで、一気にリズムらしくなります。
③ ハイハットを追加する

次にハイハットを追加します。
まずは8分音符で、「チッチ・チッチ・チッチ・チッチ」というように配置してみましょう。
これだけでも、かなり曲らしいリズムになります。
クローズドハイハットとオープンハイハット

ハイハットは2枚のシンバルで構成されていて、開閉することで音色が変化します。
クローズドハイハット
シンバルを閉じた状態です。
「チッチッチッチ」と、短く詰まった音になります。
細かいリズムを刻むときに使いやすく、4つ打ちの基本パターンでもよく使われます。
オープンハイハット
シンバルを開いた状態です。
「シャーッ」と、音が伸びて響きます。
クローズドハイハットとは違い、音が長く伸びるため、リズムにアクセントをつけることができます。
クローズドとオープンを使い分けることで、同じ4つ打ちでも印象を大きく変えられます。
実践① サンプル音源で4つ打ちを作る
まずはサンプル音源を使う方法です。
サンプル音源は、フリーで配布されているものもあるため、専用のドラム音源を持っていなくても4つ打ちを作ることができます。
① キックを配置する
まずはキックです。
1拍目、2拍目、3拍目、4拍目にキックを配置します。
これで4つ打ちの土台が完成します。
② スネアを配置する
次にスネアを追加します。
基本的には2拍目と4拍目に配置します。
③ ハイハットを配置する
続いてハイハットです。
今回は8分音符で配置してみます。
ベロシティでノリをつける
ハイハットをすべて同じ音量で鳴らすのではなく、裏拍側の音を少し弱くしてみます。
例えば、
強・弱・強・弱……
というように強弱をつけます。
音の配置自体は変わっていませんが、ベロシティを調整するだけでも、機械的な印象が減り、自然なノリが出てきます。
DTM初心者の方は、
「全部同じベロシティにしてしまう」
ということもありますが、ドラムの打ち込みでは、強弱をつけるだけでも印象が大きく変わります。
オープンハイハットでアクセントをつける
オープンハイハットは音が伸びるため、リズムのアクセントとして使いやすい音です。
クローズドハイハットだけで作ったパターンにオープンハイハットを加えることで、リズムにメリハリをつけることができます。
ただし、最初から複雑なパターンを作る必要はありません。
まずは、
- キックを4つ打ちで配置する
- スネアを2拍目と4拍目に入れる
- ハイハットを追加する
この基本だけでも十分です。
実践② ドラム音源で4つ打ちを作る
先ほどはキックやスネアなどのサンプル音源を並べましたが、ドラム音源を使えば、音色を選びながら打ち込むことができます。
今回は、IK Multimediaのドラム音源「MODO DRUM2」を使用します。
基本的な配置は、先ほどと同じです。
- キック → 1、2、3、4拍目
- スネア → 2、4拍目
- ハイハット → 8分音符
同じリズムでも、使用するドラム音源や音色が変わるだけで、印象はかなり変わります。
サンプル音源とドラム音源、どっちを使う?
それぞれにメリットがあります。
サンプル音源
- 手軽に使える
- 軽い
- すぐにリズムを作れる
- 仮リズムを作るのに便利
ドラム音源
- 音色を細かく選べる
- ベロシティなどを細かく調整できる
- 音作りにもこだわれる
- 完成度を高めやすい
個人的には、
- 仮リズム → サンプル音源
- 完成リズム → ドラム音源
という使い分けがおすすめです。
4つ打ちをさらに曲らしくする方法
シンバルを追加する
例えば、曲の始まりやセクションが切り替わるタイミングでシンバルを入れます。
すると、
「ここから新しい展開が始まった」
ということを聴いている人に分かりやすく伝えることができます。
イントロからAメロ、Bメロからサビなど、セクションが切り替わる場所で使ってみましょう。
フィルを追加する
もうひとつ重要なのがフィルです。
フィルとは、次の展開へつなげるために、一時的にドラムパターンを変えることです。
例えば、4小節目の最後にスネアやタムを入れることで、次の小節へ自然につなげることができます。
4つ打ちをずっと同じパターンで繰り返すと、単調に感じることがあります。
そんなときにフィルを入れることで、曲に変化をつけられます。
4つ打ちのサンプル音源を販売しています
4つ打ちの基本パターンをすぐに使えるようにしたサンプル音源、
「シンプルリズム 4つ打ち Vol.1」
を販売しています。
4つ打ちの基本的なパターンを、DAWですぐに使えるようにした素材です。
WAVだけではなく、MIDIも収録しています。
さらに、
- 100 BPM
- 120 BPM
- 140 BPM
- 150 BPM
- 180 BPM
- 210 BPM
と、複数のテンポを用意しています。
「4つ打ちを毎回ゼロから打ち込むのが面倒」
「まずは曲の土台をすぐに作りたい」
という方におすすめです。
サンプルをそのまま使ってもいいですし、MIDIを読み込んで、自分のドラム音源に合わせて調整することもできます。
MIDIは2種類用意しています。
ひとつは、Cubase標準ドラム音源のGroove Agent SEや、MODO DRUMで動作確認した「BASIC」。
もうひとつは、Addictive Drumsで動作確認した「Add」です。
使用しているドラム音源に合わせて選んでください。
個人的には、
仮ドラム → WAVサンプル
完成リズム → MIDI
という使い方がおすすめです。
気になる方は、販売ページをチェックしてみてください。
まとめ
4つ打ちの基本は非常にシンプルです。
キックを1拍ごとに鳴らす。
まずはこれだけ覚えておけばOKです。
そこに、
- スネア
- ハイハット
- オープンハイハット
- シンバル
- フィル
などを加えていくことで、徐々にリズムを発展させることができます。
また、
- 8分音符にするか、16分音符にするか
- どんな音色を使うか
- ベロシティにどんな強弱をつけるか
- どこにアクセントを入れるか
によって、同じ4つ打ちでも印象は大きく変わります。
そして4つ打ちは、完成した曲のリズムとしてだけではなく、作曲途中の仮リズムとしても非常に便利です。
「なんか曲が進まない」
「リズムが決まらない」
そんなときは、とりあえず4つ打ちを置いてみてください。
そこからベースを入れて、コードを入れて、メロディを入れていく。
意外とそこから曲の形が見えてくることがあります。
考えすぎるより、まず音を鳴らしてみる。
これも作曲では大切なことです。
ぜひ今回紹介した4つ打ちを、自分の楽曲制作にも取り入れてみてください。
