
自分の歌声や話し声を録音して聞いたとき「うわ、これ本当に自分!?」とショックを受けた経験、ありませんか?
実はそれ、あなたの歌が下手だからでも、声が変だからでもありません。
人間はそもそも“自分の声を正しく聞けない”仕組みになっているんです。
この記事では次の3つを初心者にもわかりやすく解説します。
- 録音した自分の声が変に聞こえる理由
- その原因となる「3つの音」
- 録音練習が歌の上達に欠かせない理由
- 自分の声が嫌い
- 録音を聞くのが怖い
という悩みがスッと軽くなり、自分の声を客観的に理解して、歌の上達につなげるヒントが見つかります。
人間が聞いている「3つの声」
順番に見ていきましょう。
1. 空気伝導の音(=他人が聞いている声)
- 空気の振動が耳に届いて聞こえる音
- 録音された自分の声、つまり他人が普段聞いているあなたの声です
2. 骨伝導の音(=自分だけが聞いている声)
- 声を出したとき、頭蓋骨や体の内部を通して耳に届く音
- 耳を塞いで喋ると「モコモコ」「ブブッ」とこもった音がしますよね。あれが骨伝導音です
つまり、自分が聞いている声=空気伝導+骨伝導のミックス。
録音とのギャップは、ここから生まれます。
3. 脳内予測音声(=理想の声)
人間は声を出す前に、脳内で“理想の声”をシミュレーションしています。
たとえば「憧れの歌手みたいに歌いたい」と思って歌うと、脳内では“理想の歌声”が再生されているんです。
つまりあなたの頭の中では・・・
- 空気伝導音(現実の声)
- 骨伝導音(自分の内部の声)
- 脳内予測音声(理想の声)
この3つが混ざって、都合よく“理想の自分の声”として聞こえているわけです。
録音を聞くと、「現実(空気伝導)」と「理想(脳内)」の差が激しくてショックを受ける。
これはまさに、加工フィルターで撮った写真と、ノーマルカメラの現実みたいなギャップなんです。
脳内の理想が“現実の声”を下手に感じさせる理由
理想が「米津玄師みたいに歌いたい」と思って歌うと、脳内では“理想の米津玄師の歌声”が再生されています。
ところが、歌っている最中はその理想の声に脳が支配されている状態なんです。
たとえ実際には上手く歌えていたとしても、「米津玄師フィルター」を通して自分の声を評価してしまうため、結果的に“自分の歌が下手に聞こえる”錯覚を起こしてしまうんです。
なぜ自分の声が大きく聞こえないのか?
大声で「うわっ!」と叫ぶと、他人はビクッとしますよね。
でも自分では、そんなにうるさく感じません。
これは、声を出す瞬間に脳が“耳を守るモード”に入るから。
聴覚の感度を自動的に下げているんです。
そのため、録音した声の“音量感”も実際とズレて聞こえます。
録音した自分の歌が「下手」に聞こえる理由
でも、実際に口から出ているのは80〜90点くらい。
バク転なら失敗すればすぐ分かりますが、歌は「そこそこ歌えてる気がする」からズレに気づきにくいんです。
だからこそ、録音して初めて気づける。
自分の歌を客観的に聴くことが、上達の第一歩なんです。
「自分では最悪」なのに他人に褒められる理由
- 先生には「よくなったね」と褒められるのに
- 自分では「いや、ピッチ外れてるし」と思う
これは、脳内の理想(予測音)とのギャップが原因。
現実の声は悪くなくても、理想との差で“キモい”と感じてしまうんです。
つまり、「キモい」は“下手”じゃなく“理想と違う”だけ。
そう思えば、録音を聞くのも怖くなくなります。
まとめ
- 自分が聞いている声は「3つの音の合成」
- 録音は「他人が聞いているリアルな声」
- 違和感の正体は“理想とのギャップ”
録音して落ち込むのではなく「ギャップを埋めるための練習」として使うのがポイントです。
自分の声を客観的に聞けるようになれば、確実に上達します。

